物体(今回では火星が有する)物質の量のことを「質量」と言います。

定義的に質量はに物体に働く力をその物体の加速度で割った値とされていますが、火星の場合

はどうやって計測されたのでしょうか。

今回は火星の質量の求め方などについてご紹介していきます。

火星の質量の求め方。火星の質量はこうやって観測された

太陽定数 求め方 火星 (2)

火星の質量は6.4191×1023kg

ちなみに地球の質量は5.974×1024kg

火星の質量は小さく、地球の0.11倍(1/10ほど)しかありません。

その理由は火星ができる前に木星が火星軌道近くまで太陽に近づいた際に火星の構成に使用さ

れたであろう質量の小天体をはじき飛ばしてしまったためと言われています。

人工衛星もない時代にすでに火星の質量は求められていました。

天体物理学者の先駆けと呼ばれるケプラーの「ケプラーの第三法則」「ニュートンの万有引力」の法則を使って観測されたと言われています。

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火星の質量の求め方

火星の質量の求め方について詳しく説明していきます。

・ケプラーの第三法則

ケプラーは太陽と惑星の距離(r)の3乗と、惑星の公転周期(T) の2乗の比はどの惑星でも同じという事を発見しました。

これはT年文覚の基本的な原理として今でも使われています。

もちろん火星にも当てはめることができます。

火星と太陽の距離は227,900,000kmです。

途方もない数字なので計算する時は天文単位(AU)を使います。

1AU=1.496億km 

これは地球と太陽の平均距離です。

火星の場合は1.5237AUとなります。

・ニュートンの万有引力の法則

物体は重力をもっており、質量と比例します。惑星と太陽は重力でお互いを引っ張り合っていますが、公転による遠心力が働いているため太陽に引っ張られることなく力が釣り合う場所に落ち着いています。

太陽と惑星の距離と公転周期は質量とも一定の関係があるということです。

式で表してみましょう。

太陽と火星の距離3乗/火星の公転周期の2乗=A(太陽の質量+火星の質量)

A:万有引力定数を4と円周率の2乗で割ったもの

実際に数字を当てはめてみると火星の質量は6.4191×1020トンという数字がでてきます。

まとめ

火星の質量は6.4191 ×1023 kgで、地球の1/10程の質量しかありません。

☑火星やほかの惑星の質量を求める場合はケプラーの第三法則とニュートンの万有引力を使います。

☑太陽と火星の距離3乗/火星の公転周期の2乗=A(太陽の質量+火星の質量) A:万有引力定数を4と円周率の2乗で割ったものに数字を入れていくと計算ができます。

ケプラーの第三法則が発見されたのは17世紀と言われています。

人工衛星もない時代に天文学で質量が計算できたとは不思議ですよね。