金星は、明けの明星や宵の明星の別名で知られている明るい天体です。

夕方の空で最初に目立つ星なので、一番星という呼び名もあります。

マイナス4等級という明るさなので、空に出ている限りとても目立つ星です。

金星を天体望遠鏡で毎日連続して観測を続けると、月のように満ち欠けしていることがわかります。

ただし、金星と地球の距離も日々変化しているため、月と違って見かけの大きさも、一緒に変化します。

金星は地球の内側で好転しているため、天空上を動くときは見かけ上、太陽の近くからあまり離れることはありません。

太陽との間で作る角度が最大47度以上離れることはなく(この角度を最大離角と呼びます)このときには金星の形は半月と似た形になっています。

金星を観察するのに向いた望遠鏡は?!

金星を観察するのに、特別な道具は必要ありません。

入門クラスの天体望遠鏡で十分です。

入門クラスといっても安かろう、悪かろうという品質ではいけません。

天体望遠鏡を支える架台はしっかりしたもの、できれば望遠鏡を手で持って自由に動かすことができて、手を離した場所で固定されるフリーストップ経緯台式のものが便利です。

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天体望遠鏡本体には屈折式と反射式のものがありますが、取扱いの比較的易しい屈折式のものがおすすめです。

そして50倍から100倍の倍率があれば、観察のためには役に立ちます。

当然、天体望遠鏡の口径(対物レンズの有効径)もそれほど大きなものは必要ありません。

口径の小さい60ミリメートルくらいの天体望遠鏡でも大丈夫です。

なぜ小型の天体望遠鏡で十分であるかというと、金星は比較的近くにある惑星だからです。

また天体の表面は分厚い雲におおわれているため、仮に口径が大きくて倍率の高い天体望遠鏡で表面をのぞいたとしても、その様子を確認することは難しいからです。

天体望遠鏡で金星を観測する場合、惑星の満ち欠けや大きさの変化を観察することが中心になります。

まとめ

金星は地球から最も近い位置にある惑星だし、金星の表面は分厚い雲でおおわれていて表面の細かい変化はほとんど目立たないため、無理して口径が大きい高倍率の天体望遠鏡を使わないでも、観測に支障はありません。

口径60ミリメートルくらいで倍率が50倍から100倍くらいの天体望遠鏡でも、金星の満ち欠けの様子をある程度までは楽しむことができます。