地球と金星は、太陽系の惑星のなかでもよく似ています。

姉妹惑星や双子惑星とよばれるくらいです。

しかし、地球には私たちを含めて多くの生き物が生きていける環境があり、実際に何億という人が生活しています。

金星はどうでしょうか。

同じような大きさで似たような太陽からの位置にあり重力もさほどの変わりがないというのに、想像をこえる気温と気圧の高さから、私たちのような人類が生きていくには無理がありすぎるようです。

しかしこのような問題点はあるものの、この先金星の過酷な環境さえ改善できれば、地球のように人々がすめるようになるかもしれません。

このように、他の惑星で人が住める環境を作り出し、変えていくことを「テラフォーミング」といいます。

さて、金星においてこのテラフォーミング計画は進むのでしょうか。

金星におけるテラフォーミングそこにはどんな問題がある?

金星と地球は、太陽から見て2番目と3番目の軌道を公転しています。

そして、大きさを比べてみても、半径でおよそ300㎞の差しかありません。

また体積で比較しても、金星が地球の0,86倍、質量は0,82倍、重力をみても0,9倍とこの差は宇宙規模でいえばごくわずかなものです。

そしてどちらも岩石惑星とよばれ、岩石でできた惑星です。

これだけ知れば、今すぐ金星旅行に行けそうな気がしてきます。

では、問題点はどうでしょうか。

まず金星の温度ですが、表面の高いところでおよそ500℃もあります。

私たちは、地球で真夏に35℃を超えるだけでも猛暑といい、中には熱中症になる人もいます。

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真夏日でも命の恐怖を感じているというのに、500℃といった温度は想像の域をはるかにこえています。

そして、次に大気の状態です。

大気圧が地球でいう900mの海底で過ごすのと同じ高さで、酸素は極めて薄く成分のほとんどが二酸化炭素です。

また、その濃度もずいぶんと高くこの上なく危険なありさまです。

さらには、過酷さゆえに水は存在しておらず、雲を形成しているものは蒸発した二酸化炭素と硫酸なのです。

テラフォーミングするには相当なプランが必要となるでしょう。

ひとつの計画としては、金星の地表付近では問題が大きすぎるので上空でテラフォーミングする方法も検討されています。

また、この有害ともいえる量の二酸化炭素を凍らせることでドライアイスに変化させ、その寒気を使い温度を下げるなど他にも案はいくつか考えられています。

しかし実際には、問題の解決の裏にはまた新たな難問と、簡単にはいかないようです。

いつかこの問題点の解決策がみつかり、本当に金星へ旅行にいけたなら誰しもの心が高鳴ることとなるでしょう。

まとめ

テラフォーミングとは、簡単にいえば惑星を地球化させ人が住めるようにする計画のことです。

金星は、太陽からの距離、大きさ、体積、質量、重力など数々の地球との類似点を兼ねそろえた惑星です。

それならばこの金星においてのテラフォーミング計画は一見叶いそうですが、金星は地表が500℃もの灼熱の星で大気の状態も人が暮らせるレベルではなく、なかなか上手くはいかないようです。