木星は、強い重力で、近くを通過する小天体を引き寄せ、ときには木星自身へ衝突させることがあります。

そのため木星は、地球にとって、巨大隕石との衝突を防ぐ大きな助けになっていると、いわれています。

木星のこのような役割は私たちにとって、決して無視することはできません。

木星 小惑星 衝突

木星への小惑星などの衝突について

1994年にシューメーカーレビー第9彗星の木星への衝突が話題になったことがあります。

木星の観測史上はじめて彗星の衝突が確認された事例です。

シューメーカーレビー第9彗星は1993年に発見されました。

そして発見後軌道計算を行なうと木星へ衝突するコースを取っていることがわかり、翌1994年7月にその予測通り木星に激突しました。

世界中の天文台やハッブル宇宙望遠鏡、探査機ガリレオなどが、木星の裏側で起こる現象にもかかわらずこの衝突の観測を試み、その結果、木星の地平線越しに見える閃光やキノコ雲、あとに残った巨大な跡などが記録されました。

その15年後の2009年7月に、木星に黒い斑点が見つかり、これは直径500mほどの天体が衝突した跡だという結論になりました。

斑点の大きさは大西洋ぐらいあったということです。

1994年のものに似ていたのですが、これは彗星ではなく小惑星が衝突した跡だろうと考えられています。

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この跡を発見したオーストラリアのアマチュア天文家は、翌2010年の6月にも木星の表面で何かが光った瞬間をとらえました。

同じ現象がフィリピンでも確認されており、木星に小さな天体が衝突したことは間違いないといわれています。

アマチュア天文家による木星へ天体が衝突した瞬間の確認は、その後も続きます。

2010年8月に日本人が、2012年9月には米国人が、木星表面に何かがぶつかったことを示す閃光をとらえました。

2016年3月にもオーストラリア人とアイルランド人が、木星上に何かがぶつかったことを示す光をキャッチしました。

今回衝突したのは直径5mから20mほどの小惑星だと考えられています。

まとめ

90年から150年に1回の確率で1.5キロメートルくらいの小惑星が木星へ衝突するという、研究結果があります。

しかし、ここで示したように「木星へ何かの天体がぶつかる」という現象は、人間の想像以上に頻繁に起こっているのかもしれません。