木星の衛星が最初に発見されたのは1610年。
天体望遠鏡も無い時代にどうやって発見されたのでしょうか。
今回は木星の衛星の発見の歴史についてご紹介します。
木星の衛星の最初の発見と歴史とは?!
初めて木星の衛星が発見されたのは1610年1月7日。
ガリレオガリレイが低倍率の望遠鏡によって衛星(ガリレオ衛星)を発見しました。
ガリレオ衛星は視等級が5~6級と明るめですが、近くにある木星がそれよりも明るいのでなので裸眼で見る事は困難です。
しかし紀元前364年に中国の天文学者が木星の近くに暗い星を記録しています。
一説によるとそれはガリレオ衛星ではないのかと言われています。
ガリレオが最初に木星の衛星を発見してから3世紀が過ぎた1970年代。
NASAの無人宇宙探査機を使ったガス惑星の調査が行われました。
それにより発見された衛星の数は爆発的に急増。
さらに2000年代は光学望遠鏡によりさらに多くの衛星が発見されました。
現在の木星の衛星の発見方法は?
現在では光学赤外線望遠鏡による観測が主流となっています。
木星の衛星の発見に活躍しているのが「すばる望遠鏡」ハワイ島のマウナケア山頂にある大きな望遠鏡です。
空気の乱れを抑えるドーム状の形、4つの焦点と独自の観測装置、光を集めるための8.2メートルに及ぶ鏡の有効口径。
単一鏡としては世界最大級の大きさです。
天体を発見した後、衛星かどうかを確定させるには1年程天体の動きを追尾する必要があります。
昔は追尾が上手くいかず見失ってしまったものもありました。
しかしすばる望遠鏡は満月9個分に相当する広い視野とリアモーターの駆動によって超高精度の天体追尾が可能です。
2017年に2つの衛星を発見した際にもすばる望遠鏡は活躍しました。
光学赤外線望遠鏡は衛星を見るだけでなく、赤外線波長を使って衛星の温度なども計測しています。
まとめ
1610年~1978年ごろまでは低倍率の望遠鏡を使って木星の衛星を発見していました。
1979年NASAの無人宇宙探索機により、多くの木星の衛星が発見されました。
2000年以降は光学赤外線望遠鏡を使った衛星の研究が主流となっています。
ガリレオ衛星は大きいので双眼鏡でも見ることができます。
手製の望遠鏡から始まった木星の衛星の発見。
現在では肉眼では絶対に確認できないような小さなものが次々に発見されています。
科学の進歩を感じますね。