木星の第二衛星であるエウロパは、惑星探査計画における調査対象天体の最有力候補で、何度も探査計画が持ち上がっては予算削減に伴い打ち切られてきました。

しかし、将来的にはエウロパ表面全体の解像度地図や、エウロパを覆うと言われる氷の層のその下を調査しようとする計画が持ちあがっています。

では、そこまでエウロパの持つ惑星科学的関心を持つに値する存在とは一体何なのでしょう?

木星の衛星であるエウロパには海が?!その可能性とは?

実はエウロパは、内部に50kmにもわたる深さの水の層があるのではないかと推測され、地球以外に有意な量の水を持つではないかと言われています。

間欠泉のように噴出されている水が観測されていたこともあり、その存在は以前から研究の対象ではあったようです。

また、近年ではハップル宇宙望遠鏡の観測結果により、エウロパは大気中に酸素を持つことが確認されています。

この酸素は地球の大気中における酸素のように生物的な要因によって発生させられたものではなく、太陽光と、エウロパの氷の表面に衝突した荷電粒子が水蒸気を発生させたものが水素と酸素に分解されてできたものですが、それでも酸素と水素に分かれた物です。

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このような観測結果からも、エウロパは酸素と水素の生成に適合した環境となっていて、この点は実は地球の環境と似ていることを示しているのです。

エウロパの氷の下に覆われている海には想定の100倍の酸素が含まれているという研究結果もあり、その酸素レベルは地球を大きく上回ります。

また、2000年にガリレオがエウロパの約350kmまで接近したときの観測結果から、エウロパは木星を周回しながら、木星の磁場の変化に従って5時間に1回、磁場の向きを逆転させていることも分かっています。

これはエウロパに電気を伝える物質が存在している証拠で、実はこの物質は液体の海水である可能性が最も高いと考えられています。

これらの理由から、エウロパは地球外生命体がいる可能性のある衛星として研究者の関心を集めているのです。

まとめ

生命の源である海が存在しているとなれば、地球のように生命がいる可能性も否定できません。

かといってその海水の温度が低すぎると地球のような生命が生まれることはなく、極端な好塩菌くらいしか生息できないと言われてもいますがしかし私たち人間にはまだ知りえていないだけで、エウロパの環境に適応した生命というのもいるかもしれません。

何にせよ、今後の技術の発展に期待したいですね。