火星には2つの衛星があり、衛星というと月をイメージしがちですが、どちらも月とは大きく違っています。
特にフォボスには、他の星の衛星と比べても違う点が多いです。
今回は、火星の衛星2つのうちの一つ、フォボスについて紹介します。
火星の衛星フォボスの特徴とは?
フォボスという名前はギリシャ神話に登場するポボスという神から名づけられています。
ポボスはアーレスという軍神の子供で混乱や恐怖の神です。
火星がローマ神話に登場するマーズから名づけられていますが、マーズはポボスの父である、アーレスと同一視されているのでちゃんと親子関係が成立しているのですね。
フォボスは直径約22km程度の衛星です。
フォボスは太陽系の衛星の中では、最も主の惑星に近い軌道で回っており、その公転の速さが火星の自転よりも速いため、火星から見ると、西から昇ってくるのが見えるでしょう。
また、火星から見える時間は4時間程で、火星の一日に2回昇ってきます。
また、フォボスは火星との距離が近いため、将来は火星に衝突するといわれています。
そもそもフォボスの誕生の理由は、巨大な隕石が火星に衝突してその破片が飛び散ってできたという説が主流になりつつあります。
もしそうだったとすると、元の火星に再び衝突してしまうとうことになります。
フォボスが形成された経緯は今でもはっきりとわかっていません。
火星の衛星ができた理由については2つの説があります。
- 小惑星捕獲説(木星との間にある小惑星帯の惑星が火星の重力圏に捕獲されたとする説)
- 巨大衝突説(火星に巨大な隕石が衝突して、火星の破片が飛び散り、やがて自分の重力で今の状態になったという説)
があります。
この謎をはっきりさせるべく、火星衛星探査計画が始動しています。
これは、フォボスから、衛星のサンプルを地球に持ち帰って調査・分析することが目的の計画です。
この計画が成功すれば、火星の衛星の形成の謎がはっきりするだけでなく、火星圏の多くの謎が解明されることが期待されています。
まとめ
火星で西から昇るフォボス。
想像するとなんとも不思議な光景ではないでしょうか。
また、もし火星に住んでいたらあっという間に移動してしまい、優雅に月見どころではないかもしれませんね。