天王星の質量は、地球の約14倍、中心部の核は他の大きな惑星よりも温度が低く、冷たく青白い惑星です。
天王星は、他の惑星と比べると何かと注目される惑星です。
天王星が注目されるのは、天王星の最大の特徴である傾いている自転です。
そこで、天王星の自転がなぜ傾いているのかについて調べました。
天王星の自転が傾いているのはなぜ?
天王星は、1700年代の後半に、天文学者のウィリアム・ハーシェル氏によって発見された惑星です。
木星と土星に次いで太陽系の惑星の中では、3番目に大きい惑星で地球の約4倍にも及ぶ大きさです。
何度か天王星の存在はわかっていたものの、それが惑星であることが確認されるまで、しばらく時間がかかった太陽系の天体です。
天王星は、木星や土星と同じくガス惑星ですが、成分の多くが水素で構成され残りはヘリウムやメタンで、木星や土星ほどガス成分が多くないことから氷惑星とも呼ばれています。
内部は、水・メタン・アンモニアの氷があって、大気の上層に含まれるメタンが赤い光を吸収することで青白く見えるのも天王星の特徴です。
そして、天王星には自転の傾きという大きな特徴があります。
地球は、地軸が23.5度ほど傾いて自転しているわけですが、天王星のその傾きは、98度にもなります。
この傾きは、過去に何度か巨大な衝突があったことが原因と考えられています。
天王星はほぼ横倒しなのはなぜ?
天王星が98度傾いているということは、ほぼ横倒しの状態で傾いているということになります。
横に傾きながら軌道面をコロコロ転がっているような感じでしょうか。
そして、天王星だけではく、天王星の衛星やリング(環)も、この天王星の横倒しのような状態に合わせるように、傾いた公転面を回っています。
他にも太陽系の中には、大きく傾いた自転軸なのは金星です。
金星の場合も177.4度も傾いているので、ほとんど上下が逆さまになっている状態です。
それも、他の惑星と自転方向とは逆向きになっているのも特徴です。
では、天王星と金星、この2つの惑星だけが異常に傾いてしまったのはなぜでしょうか?
これについては、現在も研究が勧められていますが、推測として、天王星ができたばかりの天体の頃に、非常に巨大な天体が衝突して、その影響で自転軸が倒されたと考えられているようです。
シミュレーションによると数十億年前に、天王星が地球のおよそ2倍もの大きな物体と衝突していることが突き止められているので、ほぼこれが原因といわれています。
でも、太陽系の中では、大きいサイズの天王星ほどの星を傾かせるとなると、かなり大きな衝突であることと、2回の衝突を発生させる必要があるのではという疑問もあり、惑星本体だけではなく、衛星やリングまでもが一緒に傾くとなると、どんな衝突経緯があったのかこれからの研究にゆだねられるようです。
まとめ
天王星のリングは、太古の昔から存在していた天王星の衛星が天王星にぶつかり、その飛び散った破片が引力の力で引き止められて、結果的に天王星のリングを作ったと考えられるようです。
では、天王星の自転についてまとめておきます。
- 傾きは、過去に何度か巨大な衝突があったことが原因と考えられている
- 横倒しになったのは、非常に巨大な天体が衝突して、その影響で自転軸が倒されたと考えられている
天王星は、横倒しになっているので自転軸が太陽に向かっている時は、日が当たり反対側は夜の状態になります。
公転周期が地球の換算で84年もあるので、ずっとその状態が続くんですね。