天王星の特徴は、太陽系の惑星としては3番目に大きな惑星なのに、自転の向きが他の惑星とは大きく違います。
なぜ、天王星の自転軸は、他の惑星と違ってしまったのでしょうか。
そこで、天王星の自転の向きを中心に、天王星の特徴についてご紹介します。
天王星の自転の向きは他の惑星とは違うの?その理由は?
天王星の自転の向きは他の惑星とはかなり違います。
天王星については、研究が進んではいるものの、まだ謎が多いといわれているのが自転軸の向きです。
天王星の自転軸は、かなり傾きがあり98度にまでなるので、ほとんど公転面に対して横倒しのような状態で横向きになっています。
さらに、天王星の衛星やリングでさえも、天王星の横向きに合わせるように、傾いた公転面を回ります。
実は、このような向きを見せる太陽系の惑星には、他にも金星があります。
金星の場合は117度に傾きが見られて、金星にいたっては、ほぼ倒立するような状態になっているわけです。
赤道傾斜角度が0度であれば、その惑星は、軌道面に対して自転軸が垂直でまっすぐに、公転と同じ向きで自転していることになります。
ところが、180度にもなれば、当然逆さま状態になっているので、自転軸は同じく軌道面に対してまっすぐで垂直であっても、公転とは自転の向きが反対になります。
つまり、金星は、117度なのでほとんど上下が逆さま状態で、さらには、他の惑星と違い自転方向が逆向きになっていることになります。
このように天王星と金星の惑星が、自転軸の向きが他の惑星と極端に違いがある理由は、過去に、何らかの巨大な天体などと衝突した経緯があるのではないなかと考えられています。
月の誕生の説には、ジャイアントインパクトと呼ばれる説がかなり有力となっていますが、それと同じように、天王星や金星も他の惑星などとぶつかったことで、自転軸の向きに違いが出たのではないかと推測されています。
また、かつて天王星には巨大な衛星が存在していたといわれ、それが徐々に遠ざかっていくことによって、自転軸も傾くようになったという説もあります。
ただ、太陽系の惑星の中でも3番目の大きさの天王星ですが、それほど大きな天王星ほどのサイズの星を傾かせるとなると、2回大きな衝突が必要とされていて、コンピューター・シミュレーションの新たな結果では、1回の衝突の際には、天王星の自転と衛星とは反対の逆回りの公転軌道を持っていたことは明らかになっているようです。
まとめ
天王星そのものだけではなく衛星やリングも一緒に傾いたとすれば、どのような衝突があったのか、今後の研究に期待するしかありません。
では、天王星の自転軸の向きについてまとめておきます。
- 天王星の自転軸の傾きは98度にまでなり、ほとんど公転面に対して横向き
- 太陽系の中では、金星も117度に傾きがあり、他の惑星とは向きが違う
- 自転軸の違いがある理由は、過去に、何らかの巨大な天体などと衝突した経緯があると考えられている
太陽に対して天王星の自転軸が横向きになっているので、ある地点では半年(天王星の半年は41年)も経たないと昼夜が逆転しません。
地球に住む私たちには想像がつかない世界ですよね。