地球上で一番高い場所は、中国とネパールの国境にあるチョモランマ(エベレスト)の8,848mであることはご存知の方も多いでしょう。

一方、最深の場所というと海底ということになりますが、その深さを調べるのは簡単なことではありません。

かつては竹竿から縄、ピアノ線や音響などまで、その方法も時代ともに発達してきたのですね。

地球の最深部について、その調査の歴史をからめながらご紹介します。

地球 海底 最深

地球の海底について!最深部は!?

地球の最深部として現在も調査が行われているのは太平洋のマリアナ海溝で、長さ2550㎞以上、幅は69㎞にもなる規模を持ちますが、その中でも一番深いことがわかっているのがチャレンジャー海淵とよばれる場所になります。

場所でいうとマリアナ諸島の東、北緯11度21分、東経142度12分になりますが、この地点で太平洋プレートはフィリピン海プレートの下にもぐりこんだような状態になっているそうです。

このマリアナ海溝の測深は、1872年から1876年まで行われたイギリスのチャレンジャー号探検航海による海洋調査により、初めて行われました。

当時、測鉛線での測深で8,194mを記録した地点が、現在のチェンジャー海淵であったということです。

日本がマリアナ海溝の調査を行ったのは1925年で、測量船『満州号』がおもりのついたケーブルをおろして測定する方法でした。

この調査により、9,814mの測深記録を残したそうです。

その後、イギリスやソ連,アメリカ,日本などによる調査が相次いで行われ、測定方法も反響した音波を測定する方法や、潜水艇、ナローマルチビーム測深機から無人探査機など様々な方法により、最深の計測では水面下10,911mが最深となっているようです。

エベレストの高さよりも深い場所が海底に存在することに驚かされますね。

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ところで、世界一深い場所はどのような環境なのでしょうか?

太陽の光は一切届かないため、漆黒の世界といわれ、水温も1~4℃程度といわれます。

そして何よりも水圧の大きさが尋常ではなく、1㎠にかかる力が1トンにもなるということで、生身の人間が行くことのできる場所ではありません。

しかし、そんな過酷な環境の場所にも生き物の存在が認められているのです。

マリアナ海溝の8,145mあたりの深さに生息する『マリアナスネイルフィッシュ』はシンカイクサウオの仲間で、白くてゼリー状のうろこがない体とお腹がぷっくりしているのが特徴です。

さらに体長28㎝にもなる巨大なエビのような生き物や、水深10,545m付近でヨコエビの仲間の群れが発見されたりと、まだまだ未知の可能性を秘めた場所といえるでしょう。

まとめ

地球の内側にも未知の世界がありました。

太陽の光が届かず人間が入り込むことのできない最深の海底には生命の存在がみとめられ、今でも調査が進んでいるということですので、今後の発見が楽しみですね。

しかしこの調査により、マリアナ海溝の汚染が認識されているというのも事実で、一説によると中国で最も汚染されている川の50倍もの汚染物質があるということです。

人間が原因を作った環境汚染が、地球の最深地点にまで至っていることについて、私たち全人類が問題意識を持って受け止めなくてはいけませんね。