金星は常に地球の昼の部分を向いています。
そのため夕方とか夜明けの限られた時間を除いて、夜に金星を見ることはできません。
しかし金星は昼の空には存在しているのです。
そして金星が最も明るい状態(最大光度)のときは、青い空に白い金星を、肉眼で見ることもできるのです。
肉眼でも昼に金星を見ることが可能なら、望遠鏡を使ったら、昼の金星がもっと見やすくなるのではないでしょうか?
ここでは望遠鏡を使って昼の金星を見る場合のやり方と、注意点を説明することにします。
金星を昼間に望遠鏡で見る方法とは?
金星は、望遠鏡を使うことによって、昼間でも見ることが可能です。
ただし、空のどこに金星があるかの見当をつけるのがむずかしく、少々コツのようなものが必要になります。
望遠鏡には最も倍率の低い接岸レンズをつけて作業します。
まず遠くの景色を使って天体望遠鏡本体とファインダー(天体望遠鏡に付属する小型で倍率の低い望遠鏡)のピントを合わせます。
それからファインダーの十字線と望遠鏡で見える範囲が一致するように、ファインダー調整ネジを調整しておきます。
あらかじめ夕方(宵の明星が西の空に見えている場合)か明け方(明けの明星が東の空に見えている場合)に金星と太陽の位置関係を確認しておきます。
観測する際に、覚えておいた太陽との位置関係を利用して金星の場所の見当をつけて天体望遠鏡を向け、ファインダーを用いて金星を探し、見つかったら望遠鏡本体で観測することができます。
赤道儀の付いている天体望遠鏡を使うと、もっと作業は簡単です。
太陽と金星の離角を天文年鑑やアプリなどで調べて、赤道儀の目盛りをもとに位置決めをします。
それから天体望遠鏡を金星があると思われる方向に向け、ファインダーを使って金星を探します。
ファインダーで金星らしい物体を見つけたら、ファインダーの十字線に物体を合わせて、それから天体望遠鏡をのぞいてみます。
このとき赤道儀の極軸は必ず北極に向けておく必要があります。
夜空を見る場合には北極星が利用できますが、昼間は無理なので、極軸合わせには方位磁石を使うとよいでしょう。
どのような方法をとるにしろ、望遠鏡で直接太陽をのぞくのは、絶対にやめて下さい。
金星は天空で太陽と近い場所に存在しているので、ついうっかりやってしまうかもしれません。
しかしそれは失明の可能性がある、大変危険な行為です。
まとめ
望遠鏡を使って金星の観測を行うやり方を紹介しました。
ここで述べたことで最も大切なポイントは、しかしながら「天体望遠鏡で太陽を見ない」です。
天体望遠鏡だけでなく、ファインダーも、フィールドスコープも双眼鏡も、太陽を見るのに使ったら、絶対にいけません。