冬になると、空が凍りついたように澄んで、いろいろな星でにぎやかになります。

この中でとても目立つ星を見つけたのですが、もしかして金星でしょうか?

金星はいつごろ、どんな方角で、どのように見えるのでしょうか?

金星は冬に明るい星なのか?

金星が冬になると特に明るく輝く、ということはありません。

金星の会合周期、つまり合から次の合までの期間は、583.9日(約1年7か月)なので、金星の明るさは、おおよそ1年半ちょっとの周期で、明るさが変化して行きます。

最も明るいときは、マイナス4.7等の明るさになります。

金星はいつの季節でも宵の明星、あるいは明けの明星です。

空の中で、太陽と月以外に金星より明るい天体はありません。

しかし、地球の内側で太陽のまわりを回る内惑星である金星は、夜空で観測できる時間は極めて限られてしまいます。

太陽が沈んだ後か、逆に太陽が昇る前の数時間だけです。

幸いなことに冬になると、日の入りが早く、日の出が遅くなります。

また、冬は夏にくらべて気温が低く、空気中の水蒸気の量が少ないため、冬の空は夏の空にくらべて澄んでいます。

そのため、限られた時間だけ空に明るく輝く金星を観測するのに、夏よりも条件が少し恵まれている、夏よりも少し明るく輝いているように感じるとしても、不思議ではありません。

冬に金星が見える方角とは?!

金星は、いつも太陽の近くに位置します。

太陽との角度が最大でも47度になる位置までしか離れません。

地球が夜になる夜空の側、つまり太陽の反対の方向では、絶対に見ることができないのです。

日没直後の西の空に見えるか、夜明け直後の東の空に見えるかのどちらかです。

金星が西の空で大きく光るときは宵の明星と呼ばれ、東の空で明るくかがやくときは明けの明星と呼ばれます。

金星が宵の明星になったり、明けの明星になったりするのは、1年7か月の周期の間、太陽や地球との位置関係が日々変化しいているためです。

宵の明星と明けの明星の間には、金星−太陽−地球の順で一直線に並ぶ外合の時期と、金星−地球−太陽の順で一直線に並ぶ内合の時期があります。

外合の時期には金星は太陽にじゃまされ、内合の時期には地球が太陽の光をさえぎるので、金星を見ることはできません。

2018年4月から2022年9月までの間で、金星を見ることのできる期間は次のとおりです。

この情報から、2018〜2019年の冬は東の空、2019〜2020年の冬は西の空、2020〜2021年の冬は東の空、2021〜2022年の冬は12月までに限って西の空で観測できることがわかります。

金星を西の空で観測できるとき(宵の明星):
2018年4月から2018年10月、2019年11月から2020年6月、2021年7月から2021年12月です。

金星を東の空で観測できるとき(明けの明星):
2018年12月から2019年7月、2020年7月から2021年2月、2022年3月から2022年7月です。

まとめ

金星は冬に特別に明るい冬の星ではありません。

1年7か月の周期で明るさを微妙に変えながら、あるときは西の空で宵の明星として、またあるときは東の空で明けの明星として明るく輝きます。

金星が地球と外あるいは内合の関係になる前後の期間は、金星を見ることができない時期もあります。