太陽・地球・月と一直線に並んだときに月が欠けることを月食といい、また、太陽・月・地球と並び太陽が欠ける現象を日食といいます。
とても有名な空のショーです。
この時期には誰もが見てみたいと思ってしまいます。
金星にもワクワクするようなエンターテイメントショーが繰り広げられるときがあります。
それは、金星の太陽面通過という現象です。
日食や月食と同じくいつも見られるものではありません。
しかし、その時期にはこの地球からしっかりと見ることが出来るのです。
さてこの太陽面通過とはどのようなものなのか、また、なぜそのようなことが起こるのかを紹介いたしましょう。
金星の動きが見える?太陽面通過とはどのような現象?
金星は、私たちのいる地球の最も近くにある星です。
太陽からも水星の次に距離が近く、地球のひとつ内側にほとんど円の軌道を描きまわっています。
地球にいる私たちは、明け方もしくは夕方に空を見上げると、太陽の近くにある金星を実際にみることができます。
普段はこのような見え方ですが、この金星がある状態になったときに見せてくれるのが「金星の太陽面通過」です。
名前そのままに期待通りの行動です。
では実際にどういったものかというと、地球も金星も太陽のまわりをまわり続けています。
そのなかで、太陽・金星・地球の順に一直線に並ぶときが必ずやってきます。
まさにそのときに太陽面通過というめったに見られない、めずらしい光景をみせてくれます。
具体的にはどのようにみえるのでしょうか。
それは、金星が太陽の面に黒く丸い影となって左から右に少しずつ移動していく様子です。
並んだときにみえるということは、それぞれの公転周期から観測日の予測ができます。
お互いの公転の周期と少しの誤差から、およそ584日ごとに並ぶと考えられています。
しかしながら、それぞれの軌道面の傾きが原因となって、毎回このタイミングで必ずみられるというわけではないようです。
そして、この金星の太陽面通過を観測することで、地球と太陽との距離が明らかとなりました。
そんな発見をも見出したおもしろい天体ショーを一度はみてみたいものです。
しかし残念ながら次にみられるのは、2117年12月11日と予測されています。
金星が太陽の影となって動く姿を目撃できるチャンスは、まだまだかなり先になりそうです。
まとめ
金星の太陽面通過は、太陽・金星・地球が公転しているなかでこの順に一直線上にならんだとき、地球からみることができます。
どのように見えるのかというと、日中見える太陽のなかに小さな黒い丸の影となった金星が東から西の方向に移動していく様子です。
太陽なので直視はできませんが、日食グラスなどをかければ小さいですが肉眼でも確認できます。
とても魅力的な天体現象のひとつです。