地球から月を見たとき、満月の日もあれば三日月の日もあり、その時々で見え方が変わっていきます。
これは、太陽の光の当たり方によって満ちたり欠けたりしているように見えるのです。
この現象は月だけではなく、地球より太陽に近い位置で公転する内惑星、つまり水星と金星にも同じことがいえます。
特に金星は、水星よりも地球に近いため観測しやすいといえるでしょう。
では実際に金星は地球から見て、どのように満ち欠けするのかご紹介したいと思います。
金星の満ち欠けは見え方のヒント!最大離角とはどんなとき?
金星は、地球のひとつ内側で軌道を描き太陽の周りを公転しています。
地球もまた公転しているわけなのですが、それぞれに太陽からの距離もまわる速度も違います。
そのため、地球と金星は決まった距離の中で、近づいたり離れたりすることになります。
月をみればわかるように、宇宙は暗くて月は太陽の光を反射して輝いてみえています。
金星も同じ原理です。
地球からみると太陽にあたる面だけが光ってみえることになります。
ここで、金星が太陽にあたる面について考えてみましょう。
金星が地球に近ければ、地球・金星・太陽と並ぶことになります。
これでは、金星が太陽にあたる面は地球から見えません。
逆にそこから距離をとっていくと、金星に太陽があたる部分が少しずつ広くなっていきます。
見える部分が広くなるとともに、金星は地球から離れていくことになるので小さく見えていくでしょう。
このような動きにより、金星は満ち欠けをみせます。
では次に、地球から見て太陽と金星が一番離れて見えるのはどの位置でしょうか。
それは、太陽・金星・地球を線でつないだときの中心となる角度が90度になる位置です。
このときの金星の見え方は半円で、この位置関係を最大離角といいます。
このように満ち欠けをして見えるわけですが、金星には地球からみえる時間帯が決まっています。
それはなぜかというと、地球自体も回転しているので真夜中と日中には金星は見えないのです。
「明けの明星」「宵の明星」といって明け方の東の空では小さくなりながら満ちていき、夕方には西の空でだんだん大きくなりながらかけていく様子がみられるのです。
太陽と月に次いでの明るさをみせる金星を、明け方と夕方に観測してみてはいかがでしょうか。
その中で最大離角となる半円の金星にも是非注目してみて下さい。
まとめ
金星は、惑星の中で一番地球に近い距離の軌道を公転している惑星なので、他の惑星に比べて観測しやすい星です。
しかし、地球より太陽に近い内側をまわるために、太陽からの光の当たり具合により満ちたり欠けたりしてみえてしまいます。
その結果、太陽と地球の最大離角の位置に金星があるときには半月のようにみえ、このとき太陽と金星は最も離れた位置にみえます。
また、地球の自転により常にみえるということはなく、地球にいる私たちからは明け方には東の空に、夕方には西の空に金星を観測することができます。