金星は、地球から見た場合太陽と月に次いで明るく見える星なのだそうで、昔から『明けの明星』『宵の明星』などとよばれてきたことは良く知られています。
そのよび名のとおり、私たちは明け方と日没の限られた時間帯にしかその輝きを確認することができないため、運よくその輝きを確認できたら得した気分になれそうです。
ここでは、金星の実際の明るさを『等級』で解説していきます。
金星の明るさの等級はどのくらい!?
星などの明るさは、基本的には『等級』を使って表しますが、その値が小さいほど明るいということになるそうです。
また等級には『見かけの等級』『絶対等級』の2つがあり、前者は地球から実際に見た時に感じる明るさ、後者はその星が地球から約32.6光年の距離にあると仮定した場合の明るさなのだそうです。
通常の天体の明るさは見かけの等級のことをいうようですので、そちらを使ってご紹介していきましょう。
例えば、自ら熱や光を放つ『恒星』である太陽の見かけの等級は-26.7で、これが地球から見える最も明るい天体の等級となります。
夜空を見上げた時に見える星のほとんどがこの恒星であり、その中でも一番明るく見えるのが-1.46の等級を持つ『シリウス』になります。
月や金星など太陽系の惑星は自ら光を発することはなく、太陽の光を反射することで光って見えているわけですが、太陽との距離や見ている地球との位置関係により見た目の等級が決まることは想像できるでしょう。
金星の場合、満ち欠けや地球との距離により変化しますが、最大で-4.7の見かけの等級があるということです。
ちなみに月の見かけの等級は-12.7ですが、これは地球との距離によるところが大きいでしょう。
実際には金星の方が光の反射率が高く、さらに月よりも半径が3倍以上大きいため、同じ距離に存在すると仮定した『絶対等級』で比べれば、金星の方がはるかに明るい星ということになります。
まとめ
いかがでしたか?
星の明るさを表す等級には、地球から見えた場合の『見かけの等級』と、同じ距離に存在すると仮定した時の『絶対等級』の二通りの考え方があるのですね。
見た目の等級では、金星は地球の衛星である月に比べると明るさが少なくなりますが、絶対的な等級でははるかに明るいということがわかりました。
地球から金星が見えるタイミングをよく確認し、明るい金星を観測して楽しんでみるのもいいですね。