地球に最も近い惑星である金星は、大きさや重さ、そして内部構造なども地球によく似ています。

厚い大気に覆われているところも似ているのですが、そのほとんどが二酸化炭素であるため、強い温室効果により表面の温度が摂氏470℃にもなること、大気中には硫酸の粒でできた雲が何㎞もの厚さで広がっているために太陽の光が地表に届くことがないことなど、違いも多いようです。

ところで、金星の地形を語る上で、火山の存在は欠かせないものであることをご存知でしょうか?

地球にも多く発生している火山活動ですが、金星にも同じような状況があることが分かっているそうです。

ここでは、金星に存在する火山についてご紹介します。

金星にある火山の数は!?

1960年代以降の探査機による調査により、金星には火山が多く存在することがわかっています。

その数はなんと1600以上で、太陽系の惑星の中では一番多い数なのだということです。

金星の地表はその火山から流れ出た溶岩でできており、クレーターもあまり風化していないことから、大きな火山活動が約3億年から5億年程度前に起こったという推測があります。

これは惑星の歴史としては比較的新しい火山活動とされていますが、ちなみに同じ時代の地球では、魚類が生まれ植物から順番に生物が陸に上がり始める時期に入っていたそうです。

スポンサードリンク

また、金星の大気中の二酸化硫黄濃度が今でも変動していることから、現在も活火山が存在しているとも考えられています。

ちなみに一番高いとされる火山はマクスウェル山で、高さとしては11㎞程度になります。

金星の地形はなだらかでそれほど高い山は存在しないことがわかりますね。

これは、粘度が低くて柔らかい溶岩によって作られた地形であり、地球ではハワイなどにみられる地形に似ているといわれます。

金星の山はキラキラと輝いていてまるで雪山のように見えますが、この輝きは金属が輝いている様子なのだそうです。

金星の表面はオーブンのようだと表現されるほどの灼熱で、500℃近くの高温の環境になっているため、金属ですら蒸発するものがあるそうです。

どうやら今の金星は、生き物が生きる環境とは程遠いようです。

まとめ

太陽系の惑星の中で一番多く火山が存在するといわれる金星。

今でも火山活動が起こっている可能性は高いようです。

他にも地下からマグマが地表を押し上げることでできるコロナも多く存在することが確認されているということです。

標高の高い山は少なく、惑星の8割近くが平坦な地形になっているということで、生き物の存在に期待できそうな気もしますが、大気のほとんどが二酸化炭素であること、地表の温度が500℃近いことなどから、その可能性はないと考えた方がよさそうですね。