宇宙空間へ人間が進出したり探査機などを送り出すいわゆる宇宙開発については、アメリカと旧ソビエト連邦との競争のような一面があり、衛星や宇宙船打ち上げ回数も両国が世界中の国々に比べて群を抜いて多いそうです。
金星の探査についても、この2国が先駆けて行ってきた歴史があります。
現在までの金星探査の歴史について時系列でまとめました。
金星探査の歴史とは?!
■マリナー2号,5号,10号(アメリカ・1962~1973年)
世界で初めて成功した惑星ミッションで、金星に接近することで金星から放射されるマイクロ波の測定により金星表面が非常に高温であることを発見したり、上層の雲が冷たいこと、大気の高速循環(スーパーローテーション)や磁場が非常に弱いことなどを報告しました。
■ベネラ1~16号(旧ソ連・1961~1983年)
金星の大気中に着陸機が降ろされ、大気の成分や気温,気圧などが直接計測されました。
惑星表面に着陸が成功したのはベネラ7号が初めてで、その後は写真撮影やレーダーによって雲の下の地形を探るなどの探査を行いました。
■パイオニア・ビーナス(アメリカ・1978年)
周回機と着陸機からなる大型ミッションで、周回機が雲の撮影や磁場や大気の調査およびレーダーによる雲の下の地形の確認を行い、4つの着陸機は大気の温度や風,大気組成などを調べ、15年近くにわたって貴重なデータをもたらしたそうです。
■ベガ1号,2号(旧ソ連・1984年)
金星とハレー彗星の両方の探査を目的に打ち上げられたもので、金星の風や気温,気圧,雷などに加え、着陸機により大気組成や岩石の様子なども調べられました。
■マゼラン(アメリカ・1989年)
スペースシャトルで打ち上げられた初の惑星探査機で、金星の周囲を回りながらレーダーにより地形を調査し、それによりそれまでで一番詳しい金星表面の地形図が作られました。
■ガリレオ(アメリカ・1989年)
木星探査を目的にした衛星ですが、金星の近くを通り過ぎる際に雲の様子を撮影したり、雷の発生に関係する電波の観測などを行いました。
■ビーナス・エクスプレス(ESAヨーロッパ宇宙機関・2005年)
金星周辺の宇宙放射線や磁場の計測だけでなく、金星の大気やそのしくみなどを明らかにする目的で様々な機器を搭載していたそうです。
計測された温度データから、金星の各地域で温度がかなり異なることなども推測されています。
また、大気の流れや動き、雷や火山の存在についても裏付けになる調査実績を残したということです。
■メッセンジャー(アメリカ・2004年)
2005年と2007年の金星フライバイ(通り過ぎ)により、ビーナス・エクスプレスとも同期をとりながら金星の撮影に成功しています。
■あかつき(日本・2010年)
金星の大気組成などの謎を解明し、雷の存在も明らかにするための様々な観測を行う装置が搭載されている、いわゆる金星の気象衛星のような位置づけになります。
一度軌道投入に失敗しましたが、2015年の軌道への再投入が成功したことで、現在でも様々な調査を行っています。
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— emerald_Max (@emerald_Max) 2015年12月7日
まとめ
金星探査の歴史、いかがでしたか?
かつてはアメリカと旧ソ連の競争のような状態であった宇宙開発も、日本やヨーロッパなどの参入によりますます盛んになり進歩してきたといえそうですね。
今後の調査結果による新展開や発見が楽しみです。