太陽系の第2惑星である金星は地球のすぐ内側の太陽よりに位置しますが、地球から近いからといって月のようにいつでも気軽に観測できるわけではないようです。

私たちが地球から金星を見ることができるのは、太陽が昇る前と沈んだ後の短い時間に限られているのですが、見え方はかなり明るく、『明けの明星』『宵の明星』という呼び方で古くから親しまれています。

ところでこの金星の見え方ですが、月のように満ち欠けがあったり明るさが変化することをご存知でしょうか?

ここでは、金星の明るさについての仕組みなどについてご紹介します。

金星の明るさは変化しているの!?

地球の衛星である月の場合、地球から見た時に太陽との位置関係により丸く見えたり半月だったり三日月に見え、輝く部分が大きいほど明るく見えます。

一方金星の場合は太陽系の惑星の中では地球との距離が一番近いですが、それぞれの公転の周期の違いにより太陽を含めた位置関係が常に変化します。

そのために地球からの見え方や明るさが一様ではないのですね。

例えば太陽と金星,地球との位置関係が一番近づくのは、地球-金星―太陽が一直線の並びになるときで、この状態を内合というのですが、この時に地球からは太陽を背にした夜の部分の金星しか見えないためにあまり明るさを感じないのだそうです。

また一番距離が離れるのは、地球―太陽―金星が一色線の並びの時でこの状態を外合といいます。

この時に地球から見える金星の面は満月と同じような状態にはなりますが、距離が一番遠くなるために見え方が小さく明るさも暗く感じることになりますし、実際には太陽の真っ直ぐ向こう側で見ることもできないでしょう。

スポンサードリンク

このことから、地球から見た金星が一番明るく見えるのは、満ち欠けと距離の2つの要素が明るさの条件と一致した時ということになるのですね。

そのタイミングとしてわかっているのが、内合をはさんで約36日前と36日後といわれ、この時の最大光度が―4.7という値になるのだそうです。

この明るさは一等星のおよそ170倍の明るさで、宵の明星の時期に明るく輝く一番星を見つけたらそれが金星かもしれません。

さらに望遠鏡を使って日々観察すると、金星の満ち欠けもわかりやすく観察できるということです。

なお、金星の満ち欠けの周期は1年7ヶ月ごとに繰り返されるそうです。

まとめ

地球から見える金星の明るさの変化には、距離と満ち欠けの要素が条件としてあることがわかりました。

太陽を含めた地球と金星の位置関係が真っ直ぐになるタイミングが2回あり、太陽が一番外にある時が内合、金星と地球が太陽をはさんでいる時を外合といいますが、そのいずれもが地球から見て一番地明るいわけではないのですね。

内合をはさんで約36日前後の位置関係と満ち欠けの状態が、一番明るく見える時期だということですので、興味のある方は観察してみてはいかがでしょうか。