衛星が数多くその周囲を公転している木星。
その中でもイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストは発見者の名を冠し「ガリレオ衛星」と呼ばれます。
実はこの「ガリレオ衛星」同士には関連性があり、そのひとつにそれぞれの自転周期と公転周期がリンクしていることがあげられます。
今回はそんなイオの自転の周期を例に挙げて紹介していきます。
木星の衛星イオの自転周期は?他の衛星との繋がりとは?
皆さんは、月の自転と公転の周期が同じ、ということはご存知でしょうか?
月というと、私たちがいる地球からはいつも同じ面を向けているので、「月は自転していないからいつも同じ面を向けている」という人がいるかもしれませんが、実はそれは間違いで、月が自ら回りながら地球の周りを回ることによっていつも同じ面が向けられているのです。
実はその原理と同じで、木星のガリレオ衛星と呼ばれる、イオをはじめとした4つの衛星も、公転周期と自転周期が一対になっているため、同じくいつも同じ面を木星に向けていると言われているのです。
この「公転周期と自転周期が一対になる」という現象は潮汐力の結果と考えられているのです。
では、分かりやすく月の場合に置き換えて例えてみます。
実はあまり知られていませんが月は地球からの重力を受け僅かながら変形しています。
つまり、地球に引っ張られるようにしてやや楕円形になるのです。
洋梨のように変形した月が公転周期より早く自転していると、地球の重力はその時点にブレーキをかけるように働きます。
これは逆に月が公転周期よりも遅く自転していると加速が掛かる、というようにも働きます。
この力は潮の満ち引きを起こす力と同じであるので、潮汐力と呼ばれるのです。
そしてこの力はイオをはじめとするガリレオ衛星たちにも起きています。
この力の作用が働くと、最終的には公転と自転が同じ周期で回る状態に落ち着くことになるのです。
なお、イオの自転周期は1日18時間27.6分と言われており、前述したとおり公転周期と同期しています。
まとめ
私たちが住む地球と月のように、自転や公転で潮の変化があるのは何となく知っていましたが、同じように木星の衛星であるイオにもそのような力が働いていて、それが自転の速度の加速や遅延に関わっているとは思いませんでした。
でも確かに、木星のようにあれだけ大きな惑星に引っ張られていたらそれだけ大きな力が働いていても不思議ではありませんね。