木星は巨大な惑星です。

大きさは地球の11倍、重さに至っては地球の318倍もあります。

しかし密度は意外と軽く地球の、1.326 g/cm³で、地球の4分の1しかありません。

木星は大きさの割に「軽い」のです。

このような惑星の重力はどうなっているのでしょうか?

木星 重力 どのくらい

木星に人を送る場合、重力はどのくらいになるか

木星の重力加速度は24.79m/s²です。

この値は地球の重力加速度9.81m/s²の2.53倍にあたります。

ただし、この重力加速度がダイレクトに影響するのは、木星の南極と北極だけです。

なぜなら木星は地球の2.42倍という猛烈な速度(9時間55.5分/日)で自転しているため、強い遠心力が働き、強い重力の影響をなくしてしまうからです。

遠心力が最も強く影響する木星の赤道上では、重力加速度は23.12m/s²まで減少します。

この値は地球の2.36倍に相当し、南北両極に向かって徐々に強くなっていきます。

このとき、重さは質量×重力加速度で定義できるので、地球で体重50キログラムの人は、木星の赤道上では50×2.36=118キログラム、木星の極地に移動すると50×2.53=126.5キログラム、に体重が増加してしまうことを意味します。

ただし木星はガス状の惑星なので、木星表面上に降り立って重力の増加を直接体験する、という可能性はなさそうですが。

たとえ木星のまわりを周回するだけであっても、ロケットが木星重力圏に入ると体重をはじめ、すべての物の重さが突然増加することになります。

未来の宇宙飛行士たちは、その瞬間、対応するのに苦労することになるかもしれません。

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木星へ直接人を送る有人宇宙飛行の可能性は小さいかもしれません。

しかし木星の衛星、特に生命の存在の可能性が話題になっているエウロパと、木星から降り注ぐ危険な放射線の影響を無視することができるカリストは、NASAでも将来の有人探査の有力なターゲットとみなしているようです。

エウロパの重力加速度は1.314 m/s²、カリストの重力加速度は1.24 m/s²で、どちらも地球の重力の0.13倍に相当します。

重力加速度が1.622 m/s²である地球の月と比較した場合には、エウロパは0.81倍、カリストは0.76倍です。

どちらの衛星の重力も地球の月より小さいくらいです。

まとめ

木星の重力は地球の2.53倍です。

ただし木星は激しく自転しているので赤道方面では遠心力の影響で、地球の2.36倍まで減少します。

また木星の衛星のうち、将来の有人探査の可能性が考えられるふたつの衛星(エウロパとカリスト)の重力を求めたら、どちらも地球の月の0.8倍で、かなり小さな値であることがわかります。