木星の表面の縞模様には、大ざっぱに表現すると、茶色の部分と白い部分が交互にあらわれています。
ただし南北両極だけは縞の色が暗くなっていて、一見灰色に見えます。
それぞれの縞をよく見ると、ただ茶色(あるいは白)一色ではなくて、縞の上に波のような模様があったり、ぶつぶつと点が見えたり、渦巻きがあったりと、なかなか個性的です。
もちろん有名な大赤斑の存在も、忘れてはいけません。
なぜ木星に縞があって、その縞は茶色っぽい部分と白っぽい部分に分かれているのでしょうか?
木星の縞模様の色が茶色と白である理由
木星は1日が9時間55.5分で、地球の1日のほぼ4割に相当します。
これは、木星が地球の2.4倍の速度で自転していることを意味しています。
そしてその速い自転速度が関係しているのか、木星の上空では、常に東向きあるいは西向きに強い風が吹いています。
木星の赤道付近では、秒速およそ100メートルの西風が吹いていて、さらにそこから南(あるいは北)に向かって、東風の強く吹いている地域と西風の強く吹いている地域が、交代に帯のようにあらわれます。
アンモニアの雲の粒子もそのような激しい風にのって、ぐるぐるとまわりながら帯状に広がっていきます。
このとき何故か風の向きが変わるたびに明るく白っぽい地域の帯(ゾーン)と暗く茶色っぽい地域の縞(ベルト)が生まれ、木星の表面に縞模様が現れます。
木星の表面はアンモニアの大気でできています。
ゾーンの地域では上昇気流が発生していて、空の高い部分に吹き上げられたアンモニアが凍って雲に変化すると考えられています。
木星の表面温度は平均マイナス120℃くらいなので、融点マイナス77℃のアンモニアが固体になっていてもおかしくありません。
アンモニアの氷の粒子は太陽光を散乱させるため、雲の部分は白く輝いています。
ベルトの地域はゾーンの地域より少し温度が高く、下向きの気流が発生しています。
そのためベルトの一帯はゾーンと異なり、表面の白い雲は吹き飛ばされて、その下に隠れていた別の層が見えることになります。
別の層の詳細は不明です。
化合物でできた雲や、マントルの対流などの仮説が、存在します。
まとめ
木星には、東向きあるいは西向きの強い風が交互に吹いていて、風の流れが切り替わるごとに、明るく白っぽい帯(ゾーン)の地域と、暗く茶色っぽい縞(ベルト)の地域があらわれます。
ベルトの部分は周囲より少し温度が高く、下降気流のおかげで空の比較的低い部分をのぞくことができます。
これに対してゾーンの部分は、上昇気流のおかげで空の高い部分にあらわれる、凍ったアンモニアの白い雲におおわれることになります。
このため木星の表面には明るく白っぽいゾーンと茶暗く茶色っぽいベルトが重なり合った縞模様があらわれるのです。