木星の公転周期は、11.86年、つまり約12年間です。

そのため木星は1年に30度だけ、見かけ上天空を西から東へと移動します。

しかし、そのときどきに一番近くに見える星座との位置関係は、多少日付がずれていても、大きな変化はほとんどありません。

これに対して、地球の時点の影響による位置の変化はかなり大きく、木星は、1時間の間に夜空を15度くらい動いてしまいます。

地球から見ると太陽が東から西へ向かって1日で1周する(1時間に30度動く)ように見えるのと同じです。

したがって、観測する日時がはっきりしないと、そのときの木星の位置を正確に決定することはできません。

逆に日時が決まると、木星の見える位置もおのずからわかってしまいます。

そのことさえ注意しさえすれば、木星はマイナス1.5等星からマイナス2.5等星と非常に明るく輝くため、夜空の中で、比較的容易にその位置を見つけ出すことができます。

木星 見える 時期

木星のよく見える時期

地球上から見ると、木星は夜空において、月と金星に続いて3番目に明るく見える星です。

しかし時期によっては、地球との位置関係が影響して、火星の方が明るくなることもあります。

木星(土星より遠くの外惑星もそうですが)は、地球から見て太陽との位置関係が正反対、つまり衝の関係にあるとき、地球と距離が最も近くなって、最も大きく見やすくなります。

このようなとき、木星の明るさはマイナス2.5等星ぐらいになります。

最接近した直近の時期は、2018年5月10日で、南西から南東の方向に見えました。

これに対して、地球から見て木星が太陽と互いに重なり合う合の関係にあるときは、木星は最も暗くなり、マイナス2等星くらいになります。

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木星の見える時間

木星が真南の空に上る時刻(南中時刻)をはさんで前後約3時間(計6時間)の間は、木星の地面に対する角度が30度を超えるので、観測しやすくなります。

地球から見て木星が太陽の東側90度あるいは西側90度の位置関係になるときが該当します。

木星が太陽と衝の関係にあるとき、木星はほぼ一晩中観測できるようになります。

この時期には木星と地球の距離が最も近く、木星が最も明るく輝く時期なので、観測に有利な時期です。

逆に木星が太陽と合の関係にあるときは、太陽の光に木星がじゃまされて、木星を観測することは不可能になります。

まとめ

木星が夜空に見える時期は、地球と木星の関係、太陽と木星の位置関係によって変化します。

特に木星が地球太陽に対して衝の関係にあるときは、地球と木星の距離が最も近く、木星を一晩中見ることが可能な観測に最も適した時期といえます。

逆に、地球から見て木星と太陽が合の関係にあるとき、木星は太陽の光にじゃまされて観測不可能になります。