木星の公転周期はどのようにして求めればよいでしょうか?

そもそも木星はどのようなルールに従って太陽のまわりを公転しているのでしょうか?

そこで「ケプラーの法則」の登場です。

この理論はドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーが、自分自身が助手として仕えていたデンマークの天文学者ティコ・ブラーエが残した膨大な天体の観測記録をもとに導き出して1609年から1619年にかけて発表した、惑星の運動についてのルールです。

木星 公転周期 求め方

ケプラーの法則にもとづく木星の公転周期の求め方

ケプラーの法則は、

  1. 「惑星は太陽をひとつの焦点として、楕円軌道を描いて公転する」
  2. 「惑星と太陽を結ぶ直線が単位時間に描く面積は常に一定」
  3. 「惑星の公転周期の2乗は、太陽からの平均距離の3乗に比例」

という3種類のルールから成り立っています。

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木星の公転周期を求めるためには、これらのルールのうちの3番目のものを用います。

このルールを木星や地球に当てはめると、

(木星と太陽の平均距離)³/(木星の公転周期)²

=(地球と太陽の平均距離)³/(地球の公転周期)²

=一定

という式が成り立ちます。

このとき、

地球と太陽の平均距離=1天文単位(=1.496×10⁸キロメートル)、地球の公転周期=1年

と定義されているので、上の式は、

(木星と太陽の平均距離)³/(木星の公転周期)²=1³/1²=1

と変形できます。

故に、

(木星と太陽の平均距離)³=(木星の公転周期)²

木星の公転周期=(木星と太陽の平均距離)³/₂

このとき、木星と太陽の平均距離は、5.20天文単位(=7.78×10⁸キロメートル)だと既にわかっているので代入すると、

木星の公転周期 = 5.20 ³/₂≒ 11.86年

という結果が得られます。

この結果より、木星の公転周期は約12年であることがわかります。

まとめ

木星の公転周期は、ケプラーの第3法則より求めることができて、約12年であることがわかりました。

ここで使用したケプラーの法則は、当時の科学の世界で話題になっていた、天動説と地動説のどちらが理論として優れているかという問題に対して、地動説の優位を決定的にする役目を果たした重要な理論です。