木星の軌道の計算といえば、公転軌道の計算になります。
ケプラーの法則を用いて軌道を計算することになりますが、そのためにはいくつかのパラメーター(変数)をあらかじめ求めておく必要があります。
木星の公転軌道の計算
ケプラーの第1法則によると「惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く」となります。
原点を楕円のふたつの焦点の中点とした場合、楕円方程式は、
(x/軌道長長径)²+(y/軌道短半径)²=1
このとき、
離心率=楕円の焦点までの距離/軌道長半径
と定義すると、
(軌道短半径)²= (軌道長半径)² − (離心率)²
したがって、
{x²/(軌道長半径)²}+[ y²/{(軌道長半径)²- (離心率)²}]=1
このとき、楕円の一方の焦点(x,0)に太陽があると仮定した場合の座標(X, Y)は、
X=x-楕円の焦点までの距離=x-軌道長半径×離心率
Y= y
また、このとき軌道長半径は定義より平均公転距離と等しくなるので、
{(X-平均公転距離×離心率)²/(平均公転距離)²}+[Y²/{(平均公転距離)² - (離心率)²}²]=1
この式に、木星の平均公転半径=778,412,010キロメートル、離心率=0.04851を代入して
{(X-778,412,010×0.04851)²/778,412,010²}+[Y²/{(778,412,010+0.04851)(778,412,010+0.04851)}
={(X-3.776×10⁷)²/(7.784×10⁸)²}+Y²/(7.784×10⁸)²
=1
(X-3.376×10⁷)²+Y²=(7.784×10⁸)²=6.059×10¹⁷
つまり、
(X-3.376×10⁷)²+Y²=6.059×10¹⁷km²
この方程式を満たす座標(X,Y)の集合が、木星の公転軌道を表わすことになります。
まとめ
太陽の位置を原点とする木星の公転軌道の式を、ケプラーの第一法則を用いて導きました。
このとき、木星の軌道は黄道面と一致していることが知られているので、軌道傾斜角は0度で計算しています。
ただし、ここで導いた式だけでは、軌道上のどこに木星が存在するのかを決定することはできません。
公転周期、そこから求められる角運動量、計算の起点になる元期(ある特定の時間に木星がどこに存在したか)など、さらに多くのパラメーターが必要になります。