金星が宵の明星や明けの明星と呼ばれているのに対して、木星も真夜中の明星と呼ばれています。

しかし同じ「明星」であっても、金星は地球の内側を公転する内惑星、木星は地球の外側で公転している外惑星なので、夜空におけるそれぞれの見え方や位置などは、かなり異なっています。

金星と木星がそれぞれ見える方角は?

金星のような内惑星はいつも太陽の側、つまり昼間の側に存在しています。

金星は、最大でも太陽から47度しか離れません。

だから夜の側、つまり夜に金星が見えることはありません。

昼は当然のことながら、太陽がじゃまをするので、やはり金星は見えません。

金星が見えるのは、夜明け前と日没後の数時間だけです。

金星と太陽と地球の位置関係の影響で、金星が夜明け前に輝くときは東の空に、日没後に輝くときは西の空に輝きます。

しかも月のように満ち欠けをします。

ただし金星のような内惑星の満ち欠けは、月の満ち欠けとは異なって、地球との距離が変化するのに伴って大きさや明るさが変化します。

一方、外惑星である木星の動きは金星とは全く異なっています。

まず木星は、ほとんど満ち欠けをしません。

金星のように、夜明けあるいは日の入り後のわずかな時間しか見えないということもありません。

木星は夜空に堂々と輝いています。

木星と太陽が衝の関係にあるときは、一晩中木星をながめることが可能です。

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金星と木星の明るさの違いとは?

金星は明るい星です。

太陽と月を除いたら、金星より明るい天体はありません。

夜空では月に次ぐ明るさを誇ります。

金星が見えるのは、夜明け前と日没後の数時間だけです。

その数時間の間は、他を圧するほど明るく光ります。

明けの明星、宵の明星の呼び名のとおりです。

空に見える間は、平均でマイナス4等、最も明るいときにはマイナス4.7等の明るさになります。

これに対して、木星を夜空で見ることのできる時間は金星より圧倒的に長いです。

そして夜空の大半の星々より明るく輝きます。

真夜中の明星の別名のとおりです。

しかしその明るさは、金星ほどではありません。

木星の明るさはマイナス2等からマイナス2.9等くらいの明るさで、夜空では月と金星に続く3番目の明るさになります。

まとめ

金星は内惑星であるため、とても明るく輝きます。

しかし常に太陽の側に存在しているので、日没直後や夜明け前といった限られた時間しか見ることはできません。

また太陽との位置関係によって、満ち欠けをします。

これに対して、外惑星である木星は、夜中にも見ることができます。

大きな満ち欠けをすることもありません。

木星は夜空の中で飛び抜けて明るい天体ですが、金星は太陽にずっと近いため、さらに明るく輝いています。