今年の8月に大接近した火星ですが、ご覧になりましたか?
大接近した時期は、大きく見えるということはないのですが、明るさが普段よりも強くなり、より火星を発見しやすくなります。
夜空に赤く輝く火星ですが、他の星は白く見えるものが多いのに、なぜ火星は赤く見えるのでしょう。
今回は火星の色がなぜ赤いのか、について紹介します。
火星はなぜ赤く見えるの?
火星が赤いのは、一言でいってしまうと、赤さびが原因です。
鉄が錆びると、赤くなりますが、あれと同じです。
専門的な言葉でいうと「酸化鉄」です。
火星の地表には鉄を多く含む岩石や砂が多く存在し、それが酸化したのです。
酸化した原因は、遠い昔に火星には水が存在して、岩に含まれている鉄と反応したのだろう、ということです。
しかし、だからと言って、星が自力で発光していない限り(恒星の場合)、星の表面の色が見えることなどありません。
火星は地球に近く、大気も薄いため、例外的に火星そのままの色を太陽が反射して私達に赤い姿を見せているといわれています。
それでは、もし私達が火星の表面に立った時、空はどのような色に見えるのでしょう。
火星の空はうすいピンク色、もしくはオレンジのような色に見えるそうです。
この理由を説明します。
太陽の光は様々な色の光の合成でできています。
その光には波長というものがあって長いものから短いものまであります。
波長が長いと赤っぽくなり、短いと青っぽい光になります。
火星には時々砂嵐がおきて、大気には酸化鉄の粒子が舞っています。
酸化鉄の粒子は比較的大きいため、太陽の光の中の波長の長い赤い光が散乱され、赤く見えるというわけです。
また、地球の夕日は赤く見えますが、火星での夕日はどのように見えるのでしょうか。
火星には薄いながらも大気が存在するので、夕日をみることができます。
結論をいいますと、火星での夕日は青く見えるそうです。
これは、火星探査ロボットが撮影した映像を確認しているので間違いないようです。
では、なぜ火星の夕日は青く見えるのでしょうか。
火星の大気は薄いですが酸化鉄のような、大きい粒子で覆われています。
夕日が出るころには、長い大気を光が通り、大気中の成分が酸化鉄などの大きい物質のため、赤い光が散乱しきって、青い光だけが残り、青く見えるということになります。
まとめ
火星の表面は、ほぼ赤さびで覆われている、というのは少し驚きです。
そしてそのままの色が反射して見えるというのは、かなり特殊なことといえるかもしれません。
火星が地球から赤く見えるのは、いくつかの偶然が重なっているともいえます。