天王星の衛星の一つ第5衛星のミランダ。
天王星の衛星は現在27個確認されていますが、それぞれの名前はシェイクスピアなどの戯曲にちなんだ名前が付けられています。
ミランダもその一つです。
ミランダはとても特徴的な衛星で、まだ解明されていない部分も多い衛星です。
そこで、ミランダの特徴を中心にご紹介していきます。
天王星の衛星のミランダの特徴とは?
ミランダは、天王星の衛星で他の大型衛星と同様に、天王星の赤道面に近い気道で公転する衛星です。
ボイジャー2号が接近する前に発見された天王星の衛星、アリエル・ウンブリエル・チタニア・オベロン、そしてミランダを含めた衛星は5大衛星と呼称することがあります。
第5衛星ミランダは、1948年2月16日に、オランダ及びアメリカ合衆国の天文学者である、ジェラルド・ピーター・カイパー氏によって発見されました。
衛星の名前には、シェイクスピアの戯曲の登場人物か、詩人のアレクサンダー・ポープの作品に登場する人物名が命名されるのが慣習でした。
ミランダの名前も、シェイクスピアの戯曲「テンペスト」の登場人物のプロスペローの娘にちなんでつけられたものです。
ミランダは、5大衛星の中でももっとも小さく、氷と岩石質が入り混じってできている約470kmと小型の衛星です。
他の天王星の衛星の中でも、低密度の天体で密度は約1.2g/cm3、そのうち約60%以上は氷によるものといわれています。
衛星のミランダの表面は、氷や水から形成され約20kmの深さになる断層や谷で覆われて、新しい地質と古い地質が混じっているのが特徴ですが、この縦横無尽に走っている断層や谷は、過去に破壊されたことを示しています。
その回数は7回。
そのたびに、破片が集まって衛星になっているといわれています。
5大衛星の中では、もっとも小さいサイズで表面温度も低い割には、活発な地質運動あったようです。
このことから、天王星の潮汐力の存在を考える必要がある惑星で、ミランダは、月のように天王星に対し同じ面を向き続ける衛星で、他の天王星の規則衛星と比べると10倍以上も傾きがあります。
これほど傾くのはなぜなのかは、まだ解明までに至っていません。
ちなみに、ミランダの南半球には、内部に溝が走った競馬場のようなコロナと呼ばれる地形が200kmの長さにもわたって、3つも連なっています。
このコロナにも名前がついていて、アーデン、エルシノア、インヴァと、どれもシェイクスピアの登場人物からその名を取って付けられています。
【ミランダ】
天王星の第5衛星。ミランダの表面には、深さ20km以上に及ぶ巨大な渓谷が縦横無尽に走っており、つぎはぎのように見える地域では過去に破壊的な地殻変動があったことを示している。 pic.twitter.com/teG3lsVvoa— 太陽系bot (@taiyou_tentai) 2018年9月30日
まとめ
ミランダは、過去に粉々に破壊されながらも、再び集まってきて再度衛星になっているわけですから力強い衛星ですよね。
では、ここで紹介した内容をまとめておきます。
- 948年2月16日に、オランダ及びアメリカ合衆国の天文学者である、ジェラルド・ピーター・カイパー氏によって発見
- シェイクスピアの戯曲「テンペスト」の登場人物のプロスペローの娘にちなんで命名
- 氷と岩石質が入り混じってできている約470kmと小型の衛星
- 破壊されながら、そのたびに破片が集まって衛星になる
- 月のように天王星に対し同じ面をむき続けている
- 他の天王星の規則衛星と比べると10倍以上のも傾きがある
傾く特徴のあるミランダが発見された頃は、どんな風に見られたのか興味深い衛星ですよね。