有人火星探査計画というものがあるのを知っていますか?
火星に人がいるのか!住めるのか!という計画にも見えますが、実際はそうではなく、生身の人間を火星に送り込み、人間による火星の探査を行う計画のことです。
ですがまだその計画の実行には至っていません。
いえ、至らずとも良いとされてきたのです。
その背景には技術の飛躍的な進歩があり、単なる地形探索や物質の調査だけであれば、無人の探査機だけで事足りたからです。
有人火星探査計画…そのリスクは?
過去にも有人探査は計画されていて、公にも発表がされていました。
それはそれ以前に「月」を有人探査し、成功しており、多くの成果を持ち帰ってきた経緯から、火星へも同じように有人の探査を行えば、得られるものが多いと考えられたからです。
やはり、人間自身がその目で見たもの、感じたもの、体感できたものこそが最大の成果だと言えるからでしょうね。
今でもアメリカ合衆国・ロシア・中国と、次々と計画がされていますが、予算や技術の面から、なかなか実行に至っていません。
技術というのも、単に機械操作や分析機のことではなく、宇宙環境に耐えうる人間の保護的な意味合いとしての技術不足と言えます。
またネックとしては、地球と火星の往復・滞在期間は3年前後を要します。
長期的な計画は、それに伴う物資などの量が桁違いとなるため、それらを積むための機械も必要です。
2030年には新たな有人火星探査計画も行うと発表されていますが、果たしてどうなるのでしょう。
実行には、いかに短期的な往復・滞在でこなすか、技術のさらなる発展が課題となっていきます。
これらのノルマを達成したとき、本当に有人探査を行えるのかもしれません。
また、有人探査計画も、賛否両論あるようです。
批判側からの意見としては、これまで火星への無事着陸した探査機の成功率は、1/3程度。
その割にかかる費用は莫大。
デメリットが大規模すぎるといわれています。
不確かな可能性よりも、今住んでいる地球にこそ費用を注ぎこむべきだとの声も、あるようです。
実際、地球に住む私たちににとって、火星の存在は非現実的といっても過言ではありません。
当然そんな批判がでるのも納得です。
また、火星へ行くのに危険な面も多いのです。
宇宙を取り巻く、「宇宙線」という放射線。
とても強力で発がんのリスクが高いんだそうです。
宇宙線とは、超新星爆発・ブラックホールより放出される強力なエネルギーの小粒子のことです。
その小粒子は、いとも簡単に人体に入り込み、DNAの損傷や、健康障害を引き起こすのだとか。
怖いですね。
ちなみにマウス実験では、やはり宇宙線に被ばく。
人体ではさらに被ばく率が高いのです。
宇宙に出たとき、地球のように大気で宇宙線を防ぐことができなければ、ほぼ直に宇宙線を浴びることになり、宇宙飛行士へのリスクが相当高まるものとされます。
また火星の磁場は、遥か昔に消滅。
大気もなければ、防ぐすべは皆無、という訳です。
捨てたもんじゃない!火星の有人探査における可能性
ですが希望が完全に断たれたわけでもないんですよ。
現在、イスラエルでは、宇宙線からの被ばくを低減させるベストの開発を行っています。
また、NASAでも人口磁場を発生させる研究も進められています。
マウス実験ではほぼ100%被ばくしていましたが、それはあくまでマウスであり、人体では罹患率の違いから、
被ばくの確率もどうかまだ確定ではないとされています。
ただし、どれもまだ研究不足です。
技術と知識で補うことができるそうですが、まだまだ先が長いかもしれませんね。
有人での計画においてはそうですが、無人の計画では次々と成果をあげています。
これを利用していけばあるいは、可能性は、まだ捨てたものではないでしょう。
まとめ
火星への有人探査は、実現には程遠いかもしれません。
ですがまだ火星の探索は終わっていませんし、NASAなどでの研究も果てがありません。
いつかは火星への移住計画も発案されているのですから、有人探査だって夢ではないのです。
着々と何かしらの発見を得てきています。
これからに期待ですね!