つい先日、NASAが発表した火星の嵐による探索中止のニュースを聞き、驚いた人も多かったのではないでしょうか。
NASAが行っていた火星での探索活動は、火星で発生した大規模な嵐が原因とのこと。
その嵐で舞ったちりが太陽光を遮ってしまったために、十分な電力が得られなくなったために、中止せざるを得ないというものでした。
ちなみに、この嵐、2018年5月末に発生し、6月10日には火星表面の4分の1を飲み込む大きさに成長したそう。
なぜ、火星では、このような嵐が発生するのでしょうか。
調べてみたいと思います。
火星で嵐が起こるのはなぜ?
火星には、地球の100分の1以下の薄い大気が存在します。
その大気のうち、95%は二酸化炭素になります。
夏の表面温度は、マイナス60℃、冬はマイナス120℃という寒さです。
2018年5月に発生する約19年前の1999年にも、火星では、巨大な大嵐が観測されています。
この大嵐は、火星すべてを丸のみするほどの大きさだったそう。
なぜ、このような嵐が発生するのか。
火星では、1年に100回程度、局地的な嵐が発生します。
ですが、発生する場所と発生する時期には大よその予想がつくとのことです。
大嵐と呼ばれる大きさのものは多ければ、1年に2回。
まったく発生しない年もあるそうですが、発生する時期は、春から夏にかけて、発生する場所は主に、ヘラスの北西端とノアキスの間にある傾斜面、クラルス水路の西・南、または南東に面した傾斜面、大シルチスの東にある低地イシディス平原となっております。
これらの地域はみな、いずれも東、もしくは南東向きになる傾斜地になります。
大嵐が発生する時期は、火星の気圧が高くなる時期と一致していることから、気圧が関係していることは明白ですが、嵐の発生に関するメカニズムは未だはっきりとした原因は解明されておりません。
もっとも有力な説は、ダスト量と温度差です。
春から夏にかけて、大気中のダスト量が増大すること、それから、その時期に南半球と北半球の温度差が増大することによって、大気の流れが激しくなり、嵐が発生するのではないか、と考えられています。
まとめ
火星の嵐の解明は、まだもう少し時間がかかりそうですが、いずれ、探査機を使ったデータ収集が実を結べば、近い将来、嵐のメカニズムが克明に解明される日も近いのではないでしょうか。