米国が2030年代に火星の有人探査を行うと表明しており、さらに世界各国が2030年以降の火星の有人探査に名乗りを上げているそうです。
一方日本は少し遅れをとってはいるものの、有人探査を行う計画はあるようです。
このように近年火星に注目が集まっていますが、なぜ人類は火星を目指すのでしょうか?
そこで今回の記事では、火星の有人探査を行う目的とは?について説明したいと思います。
火星の有人探査を行う目的
近年各国がこぞって火星の有人探査計画を進めていますが、人類が地球以外の天体に行くとすれば、アポロ計画によって月に到着した1972年以来のことになると言われています。
しかし、火星までの距離は地球から月までの約38万キロの100倍以上あるため、往復すると3年以上かかるといわれ、さらにその長い期間の間人類は強い宇宙放射線にさらされ命を落とすことも考えられるそうです。
このような困難な状況であっても人類が火星を目指すのは、無人探査機では限界のある火星の調査を行うためではありますが、火星は人類が住める環境に作り替えることができる可能性があるからだとも言われています。
火星は太陽系の中で最も地球の環境に改造しやすい天体であり、1日の長さがほぼ同じ、氷とはいえ水が存在すると言った共通点もあるそうです。
このことから、火星は人類が地球以外の天体で、自給自足によって共同生活を行うのに最適の場所であると考えられているそうです。
また、現在の火星は大気が薄く、水も表面には存在しないと言われていますが、過去の火星は濃い大気を持ち、川や湖、海として水が存在し、現在よりも地球に近い環境であったことが推測されており、どのような経緯でそれらが失われてしまったのか、地球でも起こりえる事なのかを詳しく調査するためには、無人探査機ではなく人類が直接火星で調査を行う必要があると考えられています。
まとめ
上記のような理由から、人類は火星を目指すのだと考えられますが、このことに対する批判的な意見もあります。
特に、火星の有人探査には数千億円と言う莫大な費用がかかるため、それだけの資金があるのであれば他のことに使うべきではないかとも言われているようです。
また、人類が火星に到達するには、片道で1年以上かかるとも言われており、宇宙飛行士にかかる負担が大きすぎるため倫理的に問題があると言う意見もあるそうです。