地球の隣にある火星にはかつて大量の水が存在したと思われる痕跡が多く発見されています。
しかし、現在では水はないと言われています。
では火星の水はなぜ、無くなってしまったのでしょうか。
今回は、火星の水がなぜなくなったのか、について紹介します。
火星の水が無くなったのは一体なぜ?
火星の水がなぜ無くなってしまったのか、については、現在でも大きく分けて2つの理由が考えられています。
- 太陽風説
太陽から、太陽風とよばれる、プラズマの粒子が火星に常に降り注いでいます。
プラズマというのは、電気を帯びている気体のことです。
具体的にいうと太陽風は、水素の陽子と電子でできています。
太陽風は、火星の大気を霧散させ、大気がなくなったあと、火星表面の水は、次第に消えていったというわけです。
太陽風は地球にもふりそそいでいますが、地球には磁気があり、太陽風を防いでいるため、火星と同じことはおきません。
磁気は惑星のコアの活動によって生み出されます。
コアとは惑星の中心にあり、地球の場合は、鉄が主成分であることがわかっています。
火星の場合、なんらかの理由でコアの活動が弱くなり、火星の磁気が弱くなったため、太陽風の影響を直接うけるようになったのが原因だ、というのが、これまでの定説でした。
- 岩石吸水説
しかし、近年、太陽風だけでは説明がつかないということになってきました。
火星の地表面に水は無くても、内部にはまだあるのでは、というのです。
新たに出てきた説とは、火星の火山活動により溶岩と水が反応して、玄武岩ができ、スポンジのように水を吸ったのではないか、という説です。
玄武岩とは、火山岩の一つで多孔質なため、水が入りやすいといわれています。
火星上の玄武岩は地球の玄武岩と比べて、保水率が高いといわれています。
結果として、地表面に水はないが、岩の中や地殻内に氷としてあるのではないか、というのです。
まとめ
火星にかつて水があったということは間違いないといわれています。
しかし、残念なことに少なくとも今は地表面には存在はしていません。
地球は火星と同じような外界の環境でありながら、水を保持する美しい星です。
様々な要因が重なって私たちが生まれ、生かされていることを痛感します。