現在宇宙開発で最も注目されているのは火星有人探査で、2030年代での人類の火星到達を目指して開発がすすめられていると言われています。
しかし、人類が火星に到達するためには様々な困難が伴うため、科学者の中には火星よりも先に金星を目指したほうが良いという考えもあるようです。
そこで今回の記事では、火星と金星はどちらが人類が住むのに適しているのか?について説明したいと思います。
金星と火星どちらが住むのに適しているのか?
人類が火星に定住するための問題点は様々ありますが、まず火星表面の重力の強さが地球の40%ほどしかないことが挙げられます。
これによって、人体は様々な影響を受け、その主なものが筋力の低下と視力への悪影響だと言われています。
また、火星には大気がほとんど存在しないため、宇宙線や太陽線などの強い電磁波を直接受けることになり、さらに火星の平均気温はマイナス43℃、最低気温はマイナス125℃、最高気温でも0度に達することはないそうです。
こう言ったことから考えると、人類が火星で生活するためには、住空間を覆うドームのようなもの建設し、中の空気や気温を人類が生活できるように整える必要があると考えられます。
一方の金星も人類が住めるような環境にはなく、非常に高い二酸化酸素濃度の大気による温室効果で、地表の気温がセ氏425℃にもなり、また金星には水は存在せず、絶え間なく硫酸の雨が降っていると言われています。
このような環境の中で人類が生活できる場所はというと、地表から高度50㎞の空間が最も適していると考えられているようです。
この高度では重力もほどほどの強さで、気圧は地球と同じ1気圧、宇宙から降り注ぐ放射線も大気がカットしてくれるそうです。
さらに、気温もセ氏30~50℃前後であるため、この高度であれば人類が生活できる可能性があると考えられているようです。
また、この高度で生活をする場合巨大な宇宙船を何基も投入し、空中都市を形成するというコンセプトを2015年にNASAが発表しているそうです。
しかし、高度50㎞の空中都市の中でも酸素ボンベは欠かせませんし、硫酸の雨から身を守る防護スーツも必要で、地球に近い環境で暮らせるわけではないと言われています。
まとめ
火星は人類が移住するためには困難が多いため、金星の空中都市の方が実現できる可能性が高いように感じます。
しかし、金星の環境もかなり厳しいものですからどちらに住むとしても、人類にとって非常に厳しい環境であると考えられます。