ライトスタッフ・宇宙飛行士が宇宙船に乗り込み、宇宙へ向けて飛び出すシーンはいつ見てもドキドキしますね。
現地へ行かないまでもメディアの映像だけで迫力が伝わってきます。
発射までのカウントダウンやエンジン点火、轟音と共に上昇するなど、出発の方法は比較的知れ渡っていますが、任務を終えた宇宙飛行士が地球に帰還する方法とはどのようなものでしょうか。
スペースシャトルとソユーズ宇宙船・異なる地球への帰還方法
地上から約400キロメートル上空に建設された有人実験施設、国際宇宙ステーション(ISS)で任務を終えた宇宙飛行士が地球に帰還する方法は、スペースシャトルとソユーズ宇宙船に大別できます。
スペースシャトルはアメリカ合衆国が使用する機体です。
地球帰還時、ISSから離脱したスペースシャトルは、姿勢制御システム・RSCと軌道制御システム・OMSを用いて地球の大気圏へ向かいます。
着陸の約1時間前にはOMSを噴射させて軌道から離脱、地上から約120キロメートルの高度から大気圏へ突入、このときの仰角は40度。
高度80~50キロメートルの間、大気摩擦による摂氏1,600度以上の熱にさらされながらも高度を下げ、高度600メートルで着陸態勢へとはいります。
映像でご覧になった方も多いと思いますが、帰還時の着陸の直前に用いられるのがパラシュートを開く方法です。
この時のパラシュートの役割は、空気抵抗を増加させ機体の減速をより効果的にするものです。
ロシアが使用するソユーズ宇宙船は、地球への帰還方法がスペースシャトルと異なります。
もちろん、軌道修正をおこないながら大気圏再突入へ向かうは同じですが、突入直前スペースシャトルとは違い、推進モジュールや機体上部の軌道モジュールなどを切り離し、クルーが搭乗する帰還モジュールだけで、大気圏へ突入します。
着陸までの自由落下速度を落とすために、帰還モジュールはパラシュートを展開。
不要となった耐熱版(ヒートシールド)や余分な燃料を投棄し、着陸直前には逆噴射をおこない衝撃を緩和します。
着陸ポイントは予めスタッフが待機しており、無事帰還が果たされます。
まとめ
宇宙飛行士が地球へ帰還する方法は、スペースシャトルまたは宇宙船の帰還モジュールによる大気圏への再突入が挙げられます。
国際宇宙ステーションからの軌道離脱までは同じような方法ですが、大気圏再突入に際しては機体の再使用を前提としたスペースシャトルと不要なものは投棄することを前提としている帰還モジュールの違いがありました。