地球の重さを測定できる巨大な秤(はかり)はないのでしょうか?

残念ながらこの考えは現実的ではありません。

しかし科学者達が苦労して生み出した数式や、精密な測定機器の力を借りて得られるさまざまな数値データのおかげで、正確な値を求めることができるのです。

地球 重さ どうやって

どうやって地球の重さを測定したのか?

地球の重さは、ニュートンの万有引力の法則をもとに得られた次の式をもとに計算できます。

地球の質量=重力加速度×地球の半径の2乗÷万有引力定数この式に出てくる3つの数値は、それぞれ次の通り既に計算済です。

「重力加速度」は、地上でさまざまな高さからものを落としてみて速さの変化を測定すれば、その結果をもとに求めることができて,重力加速度 = 9.80665 m/s²となります。

「地球の半径」に関しては、紀元前200年代に活躍したギリシア人のエラストテネスが計算を試みて以来、多くの学者の努力の結果、既に結果が得られていて地球の半径 = 6378.1 km あるいは6,378,100 mです。

最後に残った「万有引力定数」は、1797年にから1798年にかけてイギリス人のヘンリー・キャベンディッシュが行なった「ねじり天秤」を用いた鉛球実験(キャベンディッシュの実験)の結果をもとに始めて計算されました。

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それ以来、数え切れないほどの実験が繰り返され、今日最も一般的に用いられているのは万有引力定数 = 6.67259×0.0000000001 m³s⁻² g⁻¹です。

したがって「重力加速度」「地球の半径」「万有引力定数」の3種類の値を最初の式に代入することで、地球の重さを計算できます。

≒5,970,000,000,000,000,000,000,000 kg=5.97×10²⁴キログラム

となります。

まとめ

地球の重さは、ニュートンの万有引力の法則の式を応用することで、計算によって求めることができます。

ただしその際には「重力加速度」「地球の半径」「万有引力定数」の3種類の値が必要になります。

これらの数値は既に判明していますが、それらはたくさんの科学者達の努力と試行錯誤の成果です。

ただし、今回求めた地球の重さには、ごくわずかの誤差が含まれています。

たとえば万有引力の計算式は、地球が球形であることを前提に組み立てられているのですが、実際の地球は遠心力のおかげでほんのすこしひしゃげた形をしていて補正が必要だといった類のものです。

これらは実用上ほとんど問題になることはありませんが、もしかしたら今日もこういった細かい誤差の修正をテーマとして研究を続けている科学者が、どこかにいるかもしれません。