雲は地球環境に大きな影響を与えています。
太陽光が地球の表面に届く割合をコントロールしたり、温室効果に一役かって地上の気温に影響を与えたり、陸地に水蒸気を運ぶ役割を果たしたりします。
しかし雲は常に動いています。
あるときは分厚い雲が太陽の光をさえぎったり、またあるときは雲ひとつない晴天の青空を楽しむことができたり、日によって雲量(空に占める雲の割合)は異なります。
特定の場所の雲量には日によって一定しませんが、もし地球全体の雲量を調べてみたとしたら、どのような結果が得られるのでしょうか?
地球上の雲の割合とは??
NASAが2002年から2015年までの人工衛星の観測結果をもとに行なった分析によると、地球上の雲の動きには、たとえ一見不規則に見えたとしても、実はある程度の法則性があるようです。
その最も特徴的な結果は、地球上のおおよそ3分の2は、常に雲で覆われているということです。
特に海上は9割以上が程度の差はあっても雲に覆われています。
晴れているのは1割以下です。
これに大して陸上で雲に覆われているのは全体の7割程度で、雲ひとつない青空がひろがっている地域は、全体の3割です。
赤道付近の狭い一帯と、北緯60度及び南緯60度の比較的幅広い一帯には、特に雲がかかりやすい地域が帯状に広がっています。
北緯15度から北緯30度、及び南緯15度から南緯30度の間には、雲がほとんどかからない、晴天が当たり前の一帯が広がっています。
このような地域では雨はほとんど降らないので、地上では砂漠が広がっているのが通例です。
一方海流の流れは、地球上の雲の分布に、面白い影響を与えています。
それは大陸の西岸の沖で雲が形成されやすい、というものです。
この傾向は、特に南北アメリカとアフリカではっきりしています。
まとめ
地球上を覆う雲の量は、ほぼ地球上の3分の2で一定しており、また地球の緯度や海流の流れの影響で、雲が多い地帯とほとんど存在しない地帯に分かれます。
雲の量は単にそれぞれの場所の天気を反映するだけではありません。
地球規模の大きな水蒸気・エネルギー・物質そのものの循環に関係しています。
したがって、雲の分布の状況を調べることは、より正確な地球スケールの天気予報あるいは気候の研究につながるのです。