方角を知りたいとき、私たちが使う道具があります。

それは方位磁石です。

地球のどの場所にいても、どちらが北でどちらが南か教えてくれます。

なぜ方位磁石が方角をさすのか不思議におもったことはありませんか。

なぜかというと、実は地球の中心には磁石のような力が働いているところがあるのです。

その場所のことを磁場といいます。

そしてこの磁場により、磁石の原理でいつでもどこでも方角を示すことができるのです。

磁場はどの惑星にもあるといわれているのですが、金星にだけはいまだに磁場が見つかっていません。

それはどうしてなのでしょうか。

なぜ金星には磁場がみつからないの?

磁場は、電気を通す高温度の流動体があちらこちらに移動することにより電流が流れる場所です。

そのため流れがあれば必ず持続されます。

球の例をあげれば、地球の核は太陽の表面の温度と同等の高温で、そこにこの電流が流れているのです。

他の惑星も同じです。

ではなぜ金星では確認されないのでしょうか。

実はほんの微量の磁場はあるようです。

金星にももちろん核があり、成分をみてみると地球と同じ鉄やニッケルでした。

しかも、同じような岩石のマントルもあります。

地球と金星の共通点は他にも沢山あることから金星はかつて地球と全く同じであったという説もあるのです。

ということは、もしかすると、ずっとずっと以前の金星には、地球と同じくらいの磁場はあったのかもしれません。

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これはあくまで仮説にしかすぎませんが、そう考えるならなぜ弱まったのかという新たな疑問にぶちあたってしまいます。

他にもいくつかある説の中には、金星の自転速度の遅さが要因のひとつではないかというものもあります。

このように、金星の磁場に関しては未だ決定的な答えは見つかっていません。

今後も探査機の観測や、惑星学者などの研究で追及されていく大きな課題のひとつになっています。

また、地球の磁場についても注目が集まりつつあることも知っておいてください。

それは地球の磁場がここ200年間減少傾向にあるということです。

このことは遠い将来の地球の姿が、現在の金星なのではないのかといった一説の裏付けのひとつにもなっているのです。

まとめ

金星は地球とよく似た惑星で、中心部分のしくみや成分も地球と同じですが、磁場は非常に弱くて、ないに等しいでしょう。

その影響により、金星には太陽から有毒な放射線が常に降り注がれているようです。

なぜ金星には磁場がないといわれるほどに弱いのか、という答えは未だに解明されていません。

これからの観測と研究の課題となり、まだまだ追及の必要がありそうです。