木星の内部は、金属水素というものでできているそうです。

金属水素という物質をイメージすることはとてもむずかしいのですが、いったいどのような性質を持っているのでしょうか?

そして木星を構成する物質として金属水素を仮定する必要があるのでしょうか?

調べてみました。

木星 水素 金属

木星と金属水素

金属水素とは、極端な高圧をかけられて圧縮された水素が、金属のように導電性を持つようになるもので、1930年代からその存在が予言されています。

さまざまな研究所がこの仮説を実証することに挑んでいて、1996年の米国ローレンス・リバモア研究所を皮切りに、いくつかの組織がその実証実験に成功したと発表していますが、いまだに決定的な証明には至っていません。

木星のようなガス状惑星の内部には、この金属水素が豊富に存在していることが、さまざまな観測の結果より予測されています。

木星の中心は地球の10倍から45倍の大きさの岩石の核があって、そのまわりを分厚い水素の層がおおっていると考えられています。

この水素の層は木星全体の約80パーセントを占めています。

水素の層の中心から3分の2の部分では、400万気圧以上の極端な高圧のおかげで、電子が原子核に束縛されずに金属中の伝導電子のようにふるまえる状態、すなわち導電性を持った金属水素の状態に変化しています。

金属水素は木星の強力な磁場の発生に関係しているといわれています。

水素の層の残りの3分の1は、金属化していない液体水素でできています。

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水素の層の外側は、通常の水素とヘリウムで成り立っています。

深い部分は液体で、上部に行くにつれて徐々に気体になっています。

一番表面の部分は、水・二酸化炭素・メタンなどさまざまな成分が混ざりあった薄い大気の層で、ここでは水素は気体の形で存在しています。

まとめ

金属水素というのは、普通の水素分子が非常に高い圧力を受けることで圧縮され、電子が原子核に束縛されるようになって金属のような導電性を持つようになった物質です。

水素を金属状態にするためには高い技術力が必要で、実験室レベルでの生成はまだ確認されていません。

しかし、木星の内部には広大な金属水素の海があって、木星の磁場形成に大きな役割を果たしていると考えられています。

細かい部分はまだ解明されていませんが、木星の環境において金属水素の果たす役割はとても大きいことは、間違いありません。