木星を、天体望遠鏡で観測したり、鮮やかな天文写真を見る機会があった場合に、最初に印象に残るのは、その見事な縞模様でしょう。
この木星の縞模様は、アンモニアの氷の粒でてきた雲が東西に広がったものです。
木星上空では強い風が東西交互の方向に吹いているため、雲が東西に広がります。
それに加えて、1回転がわずか9時間55.5分(0.4135 日)という高速の自転の影響で、雲はさらに長く広がってゆきます。
木星の縞模様の名前
木星の雲は、その厚さや成分の違いによって、明るい部分と暗い部分が互いに重なり合って、縞模様をつくっています。
しかも模様は単に縞が集まっているだけではありません。
ところどころにさまざまな斑や渦巻きや点など、縞以外の模様も含まれています。
17世紀からその存在が確認されている有名な大赤斑は、その代表例です。
縞模様の明るい部分は帯あるいはゾーン(Zone)、暗い部分は縞あるいはベルト(Belt)と呼ばれていて、主だった帯や縞には、名前も付いています。
縞を支配する東西方向の強い風の流れはジェットストリームと呼ばれています。
一般に、ゾーンの赤道側(=ベルトの極側)では東向きのジェット ストリームが、ゾーンの極側(=ベルトの赤道側)では西向きのジェットストリームが、荒れ狂っています。
赤道付近で吹き荒れるジェットストリームは、秒速100メートルという想像を越えたレベルです。
以下に、南側から北側に向かって、木星の帯や縞の名前を示します。
- 南南温帯(SSTZ)
- 南南温帯縞(SSTB)
- 南温帯(STZ)
- 南温帯縞(STB)
- 南熱帯(STrZ)
- 南赤道縞南組織(SEBs)
- 南赤道縞北組織(SEBn)
- 赤道帯南組織(EZs)
- 赤道紐(EB)
- 赤道帯北組織(EZn)
- 北赤道縞(NEB)
- 北熱帯(NTrZ)
- 北温帯縞(NTB)
- 北温帯(NTZ)
- 北北温帯縞(NNTB)
- 北北温帯(NNTZ)
まとめ
木星の表面は帯(ゾーン)や縞(ベルト)と名付けられた、東西方向にのびる縞模様で構成されています。
この縞模様は、木星上で東向きあるいは西向きに吹き荒れている激しい風(ジェットストリーム)と、1日が10時間弱しかないという、速度の速い自転の影響でできています。