古くから多くの文明において信仰を集めてきた木星。
皆さんは木星といえばどんなことが思い浮かぶでしょうか。
ホルストによる組曲に歌詞を付けられた「Jupiter」が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
木星は、その体積が地球の1,321倍もあると言われている太陽系最大の惑星であり、地球にとっての月と同じように衛星をもつことが観測により確認されています。
その数は2018年5月の時点で79個と太陽系の惑星の中でも特に多いと言われています。
では、その中でも特に目を引く衛星のひとつ、「イオ」について紹介していきます。
ガリレオ衛星とも呼ばれる木星の衛星イオとは?
イオは木星の第一衛星であり、2007年までに発見された惑星の中で内側から5番目の軌道を回っている衛星です。
これは後述する「ガリレオ衛星」と呼ばれる衛星のなかで一番木星に近い軌道で公転していることになります。
その名はギリシア神話に登場する「イーオー(長母音を省略してイオとも)」という人物の名前から来ています。
この「イーオー」という人物の出自に関しては様々あり、河の神イーナコスの娘、ペイレーンの娘、イーアソスの娘など説がありますが、ヘラに仕える女神官であり、ゼウスの恋人の一人で牝牛に変えられてギリシアからエジプトまでをさまよった、といわれているのは通説のようです。
さて、この衛星イオは他の木星の衛星たちと併せて「ガリレオ衛星」と呼ばれています。
これはかのガリレオ・ガリレイが発見したことから来ています。
比較的明るい星であり、双眼鏡でもその姿が観察できるイオ。
他の衛星と一際違う点、それは星自体の組成にあります。
他の衛星は主に岩石と氷でできているのに対し、イオは月などと同じく主に岩石で出来ているのです。
しかし、月とは違い、イオの表面にはクレーターがほとんど見られません。
その理由は、イオの表面が溶岩に覆われており、今でも火山活動は続いているからなのです。
活発な火山活動により絶えずその噴出物が頻繁に表面を満たしていき、イオの表面を埋めているのです。
因みに、イオは地球以外で初めて火山活動が確認された天体であることでも知られています。
【イオ】
木星の第1衛星。
イオは火山活動を行っていることが確認された地球以外の最初の天体。
火山のひとつは噴煙を200 – 300km上空へ秒速1kmの速さで吹き上げていた pic.twitter.com/Ukx0yY4KFN— 宇宙ヤバイchBOT (@astronomy1248) 2016年1月7日
まとめ
イオは、地球以外で火山活動が確認された衛星だけあり、地形にはパテラ(噴火口)やフルクトゥス(溶岩流)といった火山活動によるものが多く、その地形の名前も、その由来や様相からかギリシア神話をはじめとした神話で太陽や火山、雷に関する名前が多いのだと言います。