土星探査機カッシーニは、以前土星観測のために打ち上げられたという、ボイジャーがみつけられなかった土星に関する現象をみつけるために、1997年土星目掛けて宇宙へ旅に出ます。
その後、金星や木星を観測し2004年7月にようやく目的地である土星の軌道にたどり着きます。
そして、今まで誰もが見たこともないような数々の土星に関する大発見を繰り返し、2017年9月に素晴らしい実績を残し、流れ星となったのです。
この土星探査機カッシーニは、どのような発見をし、そして自ら土星の空に旅立っていった結末にはどんな意味があるのでしょうか。
土星探査機カッシーがみつけた発見と最後に選んだ結末の意味とは?
土星探査機カッシーニは、初めての土星の人工衛星です。
そのカッシーニの発見の中でも非常に重要なものをご紹介したいと思います。
まずは、一番有名な発見である土星の周りにある環(わ)の隙間、つまり環が何層かに分かれているのを見付けました。
そして、他にも太陽系で2番目に大きい衛星であるタイタンでは、カッシーニから分離したホイヘンスが湖を発見します。
大きいものでカスピ海ほどの大きさのメタンの湖です。
雨が降り川から湖へ流れていました。
さらには、エンケラドスという氷で覆われた小さな衛星では、南極から衛星とほぼ同じぐらいとても大きな塩水の噴射を発見しました。
このタイタンとエンケラドスの発見からは、他の惑星では見られたことのない液体の存在があきらかとなり、土星に生命の生存への期待が高まるようになったのです。
これは、とてもすばらしい発見でした。
様々な発見の功績を残し続けたカッシーニも、20年近くでだんだんと燃料がなくなってきます。
そのまま土星の周りにいて、人工衛星として居座る方法もありました。
しかしカッシーニは、自らが発見したまだ解明されていない新たな生物の生存という可能性を考慮し、そのまま居座れば、土星や周りの衛星を汚してしまうおそれがあるという理由で、土星の空に消えてゆく運命を決断するのです。
20年近くも土星の周りで活躍したカッシーニが最後に残したものとは、今まで地球にしかいないとされている生命がひょっとすれば土星にも!
という希望と期待です。
沢山の発見とともに、これからの課題を残していったのです。
まとめ
土星探査機カッシーニは、人工衛星としてこれまでたどり着けなかった土星に接近することに成功し、土星の周りを取り巻く環の隙間や、タイタンやエンケラドスで非常に貴重な発見をしました。
それは、土星に生命が誕生しているかもしれないことへとつながりました。
そして燃料が尽き果てるとき、自らの発見から生まれたまだ見ぬ生命の存在の可能性を傷つけまいと、カッシーニは空に消えていったのです。
カッシーニは、単に土星の新たな発見をみせてくれただけでなく、自然を守る大切さをも私たちに教えてくれたすばらしい土星探査機といえるでしょう。