土星の周りには、60個以上の衛星があります。
衛星とは惑星を中心にゆっくり回転する星のことです。
私たちが住む地球でいうなら、地球の衛星は月です。
土星の衛星は、土星探査機カッシーニにより発見されました。
大きな衛星タイタンもそのひとつです。
そして、もうひとつ土星の衛星の中でカッシーニが大発見した衛星があります。
それは、エンケラドスです。
カッシーニはこのエンケラドスの一部から、すごい勢いで何かが吹きあがっているのをみつけます。
この発見よって、エンケラドスでの数々の可能性が生まれてくるのです。
土星の衛星エンケラドスの噴出による可能性、そこには海がある?
エンケラドスは、衛星の中でも直径が500㎞と比較的小さな衛星です。
2005年土星探査機カッシーニは、この小さな衛星に接近します。
そこで発見したものは、氷の粒が衛星と同じくらいの長さにひたすら吹き上がる噴出の様子です。
その飛び出す粒子たちは、土星の象徴ともいえる巨大なリングの一部にもなっていました。
そこで、この噴き出しているものの正体を突き止めようと成分について調べます。
それは、98パーセントのほとんどが水で残りの2%のうち1%は水素、後はアンモニアやメタンや二酸化炭素も検出されました。
一体この粒子の出どころはどうなっているのでしょうか。
そこで、成分の中でも少しばかりの二酸化炭素について調べたところ、その根源が海水と岩石であることにたどり着いたのです。
それは、海水つまり海があるという発見でした。
エンケラドスのおよそ40㎞もある分厚い氷の下に広がる海があり、そしてこれはエンケラドス全体に広がる地下の海であるとカッシーニは裏付けます。
エンケラドスは、土星の衛星なので土星の周りをまわっています。
エンケラドスの影響により、土星の自転にぶれが観測されることもわかりました。
このぶれが全体に広がる海の確かな証拠のひとつ、といえるでしょう。
さらには、地下海の底での熱水活動の可能性と、海の成分である水素と二酸化炭素によるエネルギーの生成、他にも水など生物が生存できる要素が盛り沢山な環境と判明し、新たな可能性が生れてきたのです。
この熱水活動は地球にもみられた現象とよく似ています。
もしかしたら、エンケラドスの地下の海で私たちが見たこともない命が誕生しているのかもしれません。
まとめ
土星の周りをまわる衛星のひとつエンケラドスの南極では、巨大に粒子が噴き出していて、その噴き出した成分からは、エンケラドス全域を占めるほどの広大な海が地下にあることが確証されています。
その海は、かつての地球と活動がよく似ていて、発見されてはいないものの微生物の存在の可能性を見出しています。