天体観測、お好きですか?
今は昔と比べて、月や彗星、いろんな惑星を観測することが気軽にできる時代になりました。
中でも、大接近すると話題になった火星。火星は、地球のすぐ外側を公転する外惑星です。
地球からでもその色は赤く確認することができます。
2018年7月に、火星は地球に最も近づきました。
皆様は見ることができたでしょうか。
ですがそれが最後のチャンスというわけではありません。
距離こそ毎回違いますが、火星は地球から離れたり、近づいたりを繰り返していて、定期的に見ることができるのです。
ただ2018年はより地球に近づく、というだけ。
観測にはもってこいですよ、という意味です。
今からでも遅くありません。
観測の準備と方法をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
より火星をじっくり観察する方法
自宅から、または観測スポットから火星を見たい場合。
一番に用意しなければいけないのは天体望遠鏡です。
双眼鏡でもいいのですが、見えるものが限られるんだそうです。
望遠鏡であれば、火星表面に見える「大シルチス」がよく見えるのです。
「大シルチス」とは、火星の北低地と、南高地の境で、平原西に存在するダークスポットです。
それはまるで模様のようにみえますが、地表に浮かぶ黒い部分は、火山岩や塵が少ないため存在しています。
そしてそれを観測するための望遠鏡の選び方です。
まず、口径の大きなものを選びましょう。
目安としては8.5cm以上のものです。
とくに高品質の屈折式のものだと、初心者向けでいいだそうですよ。
反射式より多少値は張りますが、性能としてはかなり良いもので、部品などのメンテナンスが不要で扱いやすいのです。
さて実際に望遠鏡をのぞき観測する段階。
火星は最接近以外にも見ることができるのですが、やはり識別は難しいです。
パッと見た時の大きさも小さいので、どれが火星なのか一見わかりません。
望遠鏡を使っても点ぐらいにしか見えない場合もあります。
やはり観測するタイミングとしては、最接近の時期が一番いいです。
最接近でも、火星は月より小さいので、肉眼では「なんだか明るい星が見えるなぁ」といった程度ですので、望遠鏡は必須ですね。
でも最接近の前後一か月間ぐらいは、そこそこ大きめに見えて、観測もしやすいんだそうです。
ただ次の最接近は17年後の2035年になってしましますが…。
ずいぶんと月日が経ちますよね。
ですが、実は火星って2年2か月に1回は、地球に近づいているんですよ。
自転での一周は地球とほぼ同じらしく、687日かけて太陽を一周、計算すると、地球と火星は780日ごとに接近するんだとか。
今すぐに見たい!という場合は難しいかもしれませんが、2018年内ならまだ大きめに見えるみたいですよ。
月が出る前、薄ら暗い夜空で、一番輝いているのを見つけて下さい。
それが火星です。
赤く見えるので、わかりやすいですよ。
先ほど話した「大シルチス」ですが、常に一定の向きで見えるわけではありません。
それこそ自転に伴って移動するので、観測できる位置もコロコロと変わります。
そしてその模様の見え方も場所や時間によって、だいぶ違う印象で見ることができるんだそう。
面白いですよね。
ですが望遠鏡で観測しても、ネットや図鑑のようにはっきりくっきりと模様が見えるのではなく、ぼんやりとしか見えません。
それは火星の大気中に渦巻く砂などが起こすダストストームにより、妨害されているからです。
根気強く観測を続ければ、揺らぎの合間に模様が見えやすい瞬間が現れます。
それまで頑張って待つといいでしょう。
ちなみに倍率は、像が揺れてしまうのを防ぐため、高すぎず、低すぎず。
風の弱い日に観測しましょう。
まとめ
常に見えて観測もできる月と違って、火星はなかなか見るのに難しい惑星です。
17年後まで最接近を待てない!という方は、2年2か月の周期で、観測してみてもいいかもしれないですね。
じっくり、ゆっくり時間をかけて観測することが、天体観測のコツです。
また自宅では設備もないし、天体望遠鏡を買おうにも何が何やら…と不安な方は、科学館や天文台を利用してみるのもよいのではないでしょうか。
ぜひ火星観察をしてみてください!