火星は常に地球と同じ距離の位置にいるわけではないので、天体望遠鏡の倍率の設定が必要になります。
火星が近くに来た時には、大きい倍率でうまく合わせると火星の有名な地名がはっきりとみえるようになります。
今回は、火星の倍率による見え方について紹介します。
火星の倍率による見え方は?
天体望遠鏡における倍率とは、肉眼で見たときの「1/倍率」の距離まで近づいたときに見えることをいいます。
具体的に、倍率は対物レンズの焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割ったものです。
対物レンズとは、その名の通り見ようとする物に最も近くにあるレンズのことです。
接眼レンズは望遠鏡をのぞくときに目を近づけるレンズのことです。
焦点距離とはレンズとレンズを通過した光のピントがあう点までの距離のことです。
その他に天体望遠鏡には、口径が決まっていて、これは、大きければ大きいほど、光を集めることができます。
天体望遠鏡で火星を見ようとする時には、小さい口径のものから大きいものまで、まずは低倍率からスタートします。
これは、まず火星を望遠鏡の中に捕まえる必要があるからです。
火星を望遠鏡の視野内に捕えたら、少しずつ倍率を上げます。
60mm以内の口径のものを使用する場合、倍率が70倍以上であれば、火星の大接近時に大シチルスと呼ばれる火星で最も目立つ名所や極冠を見ることができます。
しかし、大接近時を除くと、60mm程度の口径では、火星観測は厳しいかもしれません。
口径が100mmを超えるものになれば、火星接近時には、小口径でみられるものの他にも、様々な模様を見ることが可能なります。
150mmを超える口径で倍率を200倍以上にした時には、さらに多くの模様が確認できるでしょう。
火星の地名図を見ながら確認していくのも楽しいかもそれません。
また、口径が大きくなると気流により対象の映像が乱れることが多くあります。
この場合は、倍率を少し下げてみたほうがよりはっきり見ることができます。
まとめ
火星は地球のお隣の星ですが、小さいため観測は少し難しいといわれています。
特に小さい天体望遠鏡ではとらえたとしても赤い星、ということくらいしかわからないかもしれません。
また、大きく見たいからといって、倍率を上げていくだけでは、ぼやけてしまいます。
適正な倍率を使用して、火星を観察しましょう。