正確な地球の形は、頭から軽く押しつぶしたような、みかんのような形をしています。
こんな形をしている地球の1周の距離は、ちょうど4万キロといわれています。
4万キロというとずいぶんキリがいい数字ですよね。
そこで、地球1周はなぜちょうど4万キロと言えるのかについてお話しします。
地球1周はなぜちょうど4万キロなの?キリがいい数値のわけは?
そもそも地球は、少しつぶれた球体なので、地球のどの部分で測って4万キロという数値が出たのかも気になります。
地球は、みかんのように少し歪んだ形をしているのは、北極と南極を通る長さと、赤道の長さが少し違うからです。
北極と南極を通る長さよりも、赤道の長さが少しだけ長いです。
そのため、地球1周分の距離を測れば、正確には、2通りの距離が存在することになります。
一つの距離は、地球のお腹の部分にあたる赤道で測った長さで、約40,075kmです。
もう一つの距離は、赤道を横にして、北極と南極の縦に一周した場合の2点を通る長さでで、約40,009kmあります。
端数はあるものの二つの距離には、誤差程度の数字でほぼ4万キロになっています。
私たちが普通に使っている「m=メートル」の単位は、もともと18世紀の終わり頃に、地球の周囲の長さを基準にして作られた単位でした。
それまでの長さの単位は、それぞれの国によって違っていたのです。
ところが、大航海時代を経てきた世界は、物理的な面でも時間的な面でも距離が縮まってきたことによって、それぞれの国で長さの単位が違ってしまうのが不便になってきたわけです。
そこで、世界共通の統一した規格を作ることになりました。
それが「m=メートル」です。
そして、様々な議論を重ねてきた結果、地球の子午線の長さは「4,000万分の1」に統一することになりました。
そこで、北極からフランス、そして赤道に至るまでの距離を測って、その数値を4倍にしたものを<子午線の全周の長さ>と決めました。
そこから「m(メートル)」は長さの単位としました。
そして、当時の測量で測った結果、地球の1周の距離は約4万キロメートルという数値がだされたわけです。
そう考えると4万というキリがいい数字になるのも納得できます。
また、約6,400キロメートルの地球の半径も、円周から割り出した数字です。
仮に、半径で距離が簡単に出せていたら、基準はそちらになっていたともいえるのかもしれません。
ちなみに、メートル法については、その後、世界中に広まっていきましたが、現在でも、アメリカにいたっては、ヤード、ポンドなどの単位が使われています。
イギリスも同様ですが、実際の長さとなった場合は、微妙に数値が違うようです。
まとめ
地球の距離は、4万キロとはいっても、二通りの測り方があったのも驚きですよね。
では、ここで紹介した内容を振り返っておきましょう。
- 「m=メートル」の単位は、18世紀の終わり頃に、地球の周囲の長さを基準にして作られた単位
- 地球の子午線の長さは「4,000万分の1」に統一された
- 北極→フランス→赤道までの距離を4倍にしたものを<子午線の全周の長さ>とした
- 当時の測量で、地球の1周の距離は約4万キロメートルというきりのいい数字になった
地球1周4万キロというと、人が歩いた場合、歩行速度時速5kmとすると約333日かけて一周できる距離となります。
ただ、地球1周には五大大陸すべて経由するのか、子午線を横切るのか様々な定義があります。
地球1周するとなったら、どれが一番楽なんでしょうね。