緯度は赤道と平行に設定された、南北の位置を示す尺度のことです。
赤道上を緯度0度として南北90度までの角度で表現します。
南極点が南緯90度、北極点が北緯90度です。
緯度は経度と組み合わせることで、地球上のすべての位置を示す座標になります。
地球上の緯度で差が出る経度1度当たりの長さとは?
地球は球形なので、緯度によって円周の長さは変化します。
赤道(緯度0度)における円周の長さは、約4万キロメートルです。
これを360度で割ると計算できる、経度1度あたりの緯度の長さは約111キロメートルになります。
これに対して北極点(北緯90度)あるいは南極点(南緯90度)では、円周も緯度の長さも0キロメートルです。
それでは、赤道と北極(あるいは南極)の中間では、経度1度あたりの緯度の長さはどのように変化するのでしょうか?
たとえば、北緯26度の那覇では約100キロメートル、北緯35度の東京では約91キロメートル、北緯40度のニューヨークでは、約85メートル、北緯60度のオスロでは約56キロメートル、南緯41度のウェリントンでは、約84キロメートルです。
つまり、経度1度分を移動するのに必要な距離は、東京では91キロメートルなのに対して、赤道上では111キロメートルもかかり、ノルウェーのオスロではわずか56キロメートルで済んでしまう、ということになります。
地球上における緯度と気温の関係とは?
緯度が関係する地球上の事象は、経度1度あたりの距離の違いだけとは限りません。
緯度と気温の間にも、大きな関係が存在するのです。
私たちは、地球上の低緯度地帯は常夏の熱帯で、緯度が高くなるにつれて温帯から冷帯へと移り、北極点(あるいは南極点)に近い高緯度地帯には1年を通じて雪や氷が溶けることのない寒帯が待っていることを、経験的に知っています。
これは太陽光線の当たり方が、地球の低緯度地帯と高緯度地帯では異なるからです。
同じ量のエネルギーを持つ太陽光線が到着しても、地球が丸いため、高緯度地帯では光が斜めの方向から届きます。
そのおかげで光が届く面積は広くなりますが、その分日差しは弱く、地表は十分なエネルギーを受け取ることができないため、年間を通じて気温の低い寒い地域になるのです。
その一方、低緯度地帯には狭い範囲に光が直角に降り注ぎます。
たっぷりとエネルギーを受けたこの一帯は、その結果、常夏の暑い地域になります。
そして両者の中間にある日本のような中緯度地帯は、両者の中間の状況となり、比較的暮らしやすい温帯になります。
まとめ
地球の緯度の違いは、緯線の長さの違いと関係しています。
そしてそれと同じぐらい、地球上のいろいろな地域に当たる太陽の光の量にも関係していて、熱帯から寒帯まで、自然環境の複雑さを表す象徴になっています。