太陽のまわりを回る太陽系の天体のうち、惑星や衛星ではないもの、そして彗星のように太陽の近くで尾を引くことのないものをすべて小惑星と呼ばれます。
小惑星はさまざまなところで見つかっていますが、特に多数の小惑星が存在するのは、小惑星帯と海王星より遠くの太陽系外縁部です。
ここでは特に小惑星帯に存在する惑星について、その主なものの名前とともに説明します。
木星と火星の間にある小惑星の名前
小惑星帯(アステロイドベルトあるいはメインベルト)とは火星と木星の間にある空間で、小惑星が多数公転している一帯です。
ここに存在する小惑星は数百万個もあるといわれています。
ただしひとつひとつの小惑星は、いくつかの例外を除いてひどく小さいため、アステロイドベルトに存在する小惑星のすべての質量を合計したとしても、月の35分の1程度しかありません。
かつて、小惑星帯にはひとつの惑星が存在していて、それが何かの理由で分裂してたくさんの小惑星になったのだ、という仮設が通用したこともありました。
しかし現在ではこの合計質量の小ささ故に、この説は否定されています。
最初に発見されたケレスは、直径950キロメートル、質量は9.4 ×10²⁰キログラムと例外的に大きいのですが、これだけで小惑星帯の全惑星の質量の4分の1から3分の1を占めています。
小惑星帯の惑星がはじめて発見されたのは1801年のケレス(Ceres)です。
翌年にはパラス(Pallas)、1804年にはジュノー(Juno)、1807年にはベスタ( Vesta)、といったように似たような軌道をまわる惑星が次々とみつかるようになり、やがてこの領域で見つかる惑星を小惑星と呼ぶようになりました。
なお最初に発見されたケレス、パラス、ジュノー、ベスタの4個は特に「四大小惑星」と呼ばれています。
最初の頃は小惑星にも、他の惑星と同じようにローマ神話の神の名前を付けていました。
しかし小惑星が多数発見されるにつれ、他の神話の神や文学作品の登場人物なども使われ、名前の数が足りなくなるにつれて実在の人物や地名も加わる、といったように、次第に自由に名前を付けることができるようになりました。
現在小惑星の名前は、発見者に命名提案権が与えられています。
そのため小惑星の名前には、ユニークなものも多くあります。
- フィクションの世界からスタートレックの「ミスタースポック (Mr. Spock) 」や「エンタープライズ (Enterprise)」
- シャーロックホームズの「シャーロック (Sherlock) 」「ドクターワトスン (Doctorwatson) 」「モリアーティ (Moriarty)」
- 日本のアニメから「 トトロ (Totoro) 」「フクちゃん (Fukuchan) 」「アンパンマン (Anpanman)」
- 日本の神話から「イザナキ (Izanaki)」「イザナミ (Izanami) 」「アマテラス (Amaterasu)」
- その他には「仮面ライダー (Kamenrider)」や「寅さん (Torasan)」
等の名前がついています。
まとめ
太陽系には惑星や衛星などと同様に小さな岩石のかたまりである小惑星もあります。
そして小惑星が特に集中して発見される場所のひとつに、火星と木星の間に空いた小惑星帯(アストテロイドベルトあるいはメインベルト)があります。
アステロイドベルトにはケレス、パラス、ジュノー、ベスタの四大小惑星をはじめ数百万個の小惑星が存在しています。
小惑星の命名提案権は発見者に与えられているため、ユニークな名前も多く「ミスタースポック」「シャーロック」「仮面ライダー」などという名前をつけられた小惑星もあります。