衛星というのは、惑星の周りを公転している天体のことで、地球の惑星の月については説明するまでもありませんね。
他の太陽系の惑星にも衛星を持っているもの多く、現在確認されている衛星の総数は約160あるともいわれ、その3分の2が木星と土星にあるそうです。
衛星の大きさはさまざまで、直径10㎞にみたない小さなものから、最大で水星よりも大きく直径が5000㎞もあるということです。
大きな重力を持つ巨大惑星ほど多くの衛星を持っているようなのですが、地球と同じくらいのサイズの金星には衛星が存在するのでしょうか?
金星の衛星の数は!?
太陽系の惑星では、水星と金星は衛星を持っていないと考えられています。
なぜ衛星がない惑星があるのでしょう?
一説によると、過去に金星にも衛星があると考えられていたそうです。
ガリレオの弟子に師事していたカッシーニというフランスの天文学者が、1672年に金星の近くに小惑星のようなものを発見したものの、当時はこのことを公表しなかったそうですが、1686年にも再び見つけた際に金星の衛星ということを公表したという記録があります。
彼は他にも土星の4つの衛星なども発見しており、それらの功績から、1997年に打ち上げられた土星探査機『カッシーニ』の名前の由来にもなっているそうです。
結局、この金星の衛星については、それ以降も多くの観測報告があったものの現在ではその存在を否定されているということです。
そもそも衛星というのはどのようにしてできるのでしょうか?
地球の衛星である月の場合は、ジャイアント・インパクト説というものが最も有力ではないかといわれます。
これは、まだ出来上がっていない原始地球に、その半分くらいの大きさの別の原始惑星が衝突し、地球の周回軌道に散らばった破片が凝縮されて形になったというものです。
また火星の惑星はそれとは異なる過程があるとされ、火星の重力によって小惑星が引き付けられたという説が有力です。
木星や土星のように質量の大きい惑星に衛星が多いのも同じような理由があるからだといわれますが、この過程で衛星になったものは、いつか軌道を外れてその惑星へ落ちてくるとも言われています。
このことから、金星に衛星がない理由は現在も特定されておらず、過去にあったものが衝突や落下したのかもしれませんし、今後衛星を持つ可能性もないわけではなさそうです。
まとめ
太陽系や惑星の歴史は、まだまだ解明されていないことが沢山ありそうですね。
衛星の成り立ちも衝突説や重力説などがあり、いずれにしても偶発的に起こったことなのかもしれませんので、金星に衛星が発見される時がくるかもしれません。
宇宙科学の今後の飛躍と新発見に期待したいものです。