大きなリングをまとった土星は、太陽系のなかでも2番目の大きさを誇る巨大な惑星です。
今やこのわっかのイメージが大きなこの星には、もうひとつ神秘的な見た目の特徴があるのをご存じでしょうか。
それは、かつて探査機ボイジャーがみつけた北極圏にある六角形の一風変わった模様です。
この六角形の不思議めいた現象には、検証に30年もの時間がかかりました。
そして土星探査機カッシーニによって、長い年月をかけて段々とこの未解明の六角形の正体が明らかとなりました。
気になるこの六角形の神秘的な模様の裏にはどんなものが潜んでいるのでしょうか。
土星に見える六角形は何か原因がある?
ボイジャーが発見した土星のてっぺん北極圏にみえる、まるで万華鏡を見るようなきれいな六角形ですが、大発見でありながらもなかなかその実態の観測にはいたらず、30年という長い年月を経て、土星探査機カッシーニの活躍でそのベールをようやくぬぐこととなりました。
六角形はヘキサゴンとよばれ、土星の北極にあり、南極にはみあたりません。
まか不思議な六角形について、惑星学者のラウル・モラレス・フベリアスという有名な教授は、カッシーニが撮影に成功した六角形の画像などからあらゆる研究をはじめます。
どうやらこれは大きな雲の渦のようで、その大きさは32,187㎞もありました。
地球の2倍にもなる大きさの渦です。
この大きさにはずっと変化はないものの、色は青から金色へと変化していきます。
そして、その雲の下の大気はおよそ100㎞の深さまで続いていました。
そこで教授は、北半球に限りこの大気を調べるべく高度ごとに風がどのように吹くのかを観測し、その結果雲の下で吹く風に六角形の原因があるのでは、と突き止めます。
大気の上の方でかなり不安定な部分を発見し、そこでは風が紆余曲折ながらもうまく調和を保っていました。
さらにこの風は、土星の自転と同じ周期と速度で回転していることが判明し、最大風速360㎞で土星の外へ外へと移動することなく吹き荒れていました。
この風の動きは、カッシーニが撮影した画像にピタリとはまると教授はいいます。
このことで、とても有力な六角形の原因が1つ浮き出てきたのではないでしょうか。
とはいっても、これはただの一説にすぎないという人もいます。
謎に包まれたこの六角形、新たな発見は今後あるのかないのか、さらにこの六角形にはまだまだ目が離せません。
まとめ
土星の北極に発見された六角形の大きな渦の原因は、土星探査機カッシーニの観測をもとに、惑星学者の教授が研究した結果によれば、雲の下の深い大気圏で吹き荒れるジェット気流の風だとわかった。
これは定説ではなくとも、極めて有力な原因の追究に違いないといえるでしょう。
天体望遠鏡で土星を見ることがあれば、ぜひこのヘキサゴンを探してみてください。
そして自分の目で確認出来たら、その向こうに吹くジェットストリームを想像してみるのも新たな土星の楽しみ方になるのではないでしょうか。