多くの偶然が重なって、地球の土には、植物を育てるための微生物や栄養が入っています。
しかし火星の土はどうでしょう?
火星探査船キュリオシティやフェニックスが火星の土壌の成分の分析を行っています。
火星の土にはなにが含まれているのでしょうか。
火星の土に成分は?生命の痕跡は?
火星の土にはひょっとしたら、生命の痕跡があるのではないか、と期待されていたのですが、残念なことに炭素系の複合物など生命の可能性のあるものの発見はありませんでした。
火星の土壌には人間にとって毒ともいうべき過塩素酸塩が0.5%も含まれていることがわかっています。
過塩素酸塩は人の甲状腺に悪影響を与えるこが確認されており、含まれている土で作った作物を食べると人体に危険な可能性があります。
しかし、全て悪いことばかりではないようです。
まだ研究の初期段階ですが、火星の土壌の改良にミミズが有効な働きをする可能性があるかもしれません。
現段階でわかっている火星の土を再現した土でミミズの子供ができたそうです。
地球の土の中で、ミミズは植物が育つために多くの働きをします。
ミミズが火星の土で繁殖が可能であれば、火星の土は栄養の循環が可能になるということです。
また、過塩素酸塩に関しても、いいニュースもあるようです。
過塩素酸塩を減らすことに関して微生物研究が進んでおり、過塩素酸塩を分解可能な微生物の分離に成功しています。
その他には、水と塩素、硫黄やマグネシウム、カリウム、ナトリウムも発見されています。
研究者によると、地球の乾燥地帯の土壌解析の結果と似た結果であり、これから、他のミネラルの発見の可能性もあるということです。
またこの解析結果こそ、かつて水が火星に存在した証拠だといわれています。
まとめ
残念ながら、火星の土には、人間にとって毒になるようなものや、地球の土とは大きく違っているようです。
しかし、全てが悪い話ばかりではなさそうです。
万一、火星に居住する場合には、やはり自給自足が基本になると考えられます。
そのときがいつくるのかはわかりませんが、今後の研究の成果に期待したいところです。