火星といえば、赤色っていうイメージがありませんか?
よく見る火星の写真が、赤色ですから、印象的には強く残りますものね。
そしてそれと同じように、火星から見える空も赤色、というイメージも浸透しています。
ですがそのイメージ、実は間違っているのかもしれませんよ!
火星の空の実態、とことん調べてみました!
本当は何色?火星の空の色
まず、火星の写真といえば、地表の様子を写したものが多いですよね。
滅多とアングルを上に向けたものって見ないと思います。
だからこそ、この地表の赤色のイメージが、そのまま空にまで印象づけてしまったのかも。
ただ、NASAからの公式発表はないにしても、研究者たちからは、「火星の空は赤ではない!」と断言されています。
火星の空の上の方は、青みがかった黒、と表現されるそうです。
位置が低いほど色が薄くなります。
地平線近くは、砂が舞い上がっているので、薄茶に見えはしますが、それが赤色だとも認識しがたい。
空の色に関しては、地球も火星も例外でなく、大気が関係しています。
大気の薄い火星では、どう頑張っても赤色の空にはならないんだそうです。
つまり、火星の空は、地球のように綺麗な青でないとしても、青みがかった黒、または薄緑、と説が立てられています。
火星は赤いから空も…赤くはない!?
火星の大気の薄さでは、空が赤く見えることはないといいましたが、何故そうなのか。
地球の夕方の空で説明しましょう。
夕方になると、太陽光線が横から降り注ぎ、地平線に近い場所から入ると、大気を通し青い光線があちこちに散乱します。
そうすると、地表から見たときに赤の光線しか空に残らず、茜空が出来上がるという仕組みです。
しかし、光線のフィルターの役割を果たしてくれる大気が薄いと、青い光線がほぼ直に空に広がります。
大気が厚ければ厚いほど、青い光線が散らばり赤い光線が色濃く残るのです。
そしてその大気、火星は大変薄いのだと発表がされているのです。
ですから、火星の空が赤い、というのは説としては弱いものとなります。
ですが一方で、火星の大気中に舞う砂塵のせいで、青い光線がさまざま方向に屈折して、地球の夕日みたいに見えるのでは…という説もあるんだとか。
あまり濃厚な説ではない!と言われているようですが。
青い空って本当!?火星の現実
ではなぜ青い空だという説が出ているのでしょうか。
それには「レイリー散乱」という現象が関係してきます。
「レイリー散乱」とは、光の波長より小さい粒子による、光の散乱のこと。
主に透明な液体や固体中で起きる現象です。
典型的なものが、太陽光が大気中で散乱することによって空は青く見える、というもの。
これが空の実態です。
この現象に基づいて、大気の薄い火星も、常にレイリー散乱が起きていて、空は青色なのではないか、と言われているのです。
1997年には、火星でのレイリー散乱のような写真が発表されています。
そのほか空の青色が映り込む写真や画像データが流出していますが、これについてNASAからとくに言及なし。
データ間違い、NASA側で仕組まれている…など騒がれはしましたが、実際のところは曖昧なままです。
ちなみに、火星の地表は、地球のアリゾナ砂漠の表土と酷似しているんだそうで、いくら地表が赤くても、空までは赤くならない、という話も。
空の色は、空気・大気によるレイリー散乱から成るものであり、可視光線の中で波長の短い青色が最も広く散乱するんです。
だから地球上どこにいても空は青いですよね。
火星も同じだと、そういわれているんです。
まとめ
たとえ火星の大気中に砂塵があったり、ダストストームが起きたとしても、それが光を屈折したぐらいでは、空は赤くならないそうです。
変化しても緑など、青に近い色への変化ぐらい。でも宇宙のどこにいても空は青く見える…と思ったら、なんだかすごく神秘的ですね。
地球のように空の色に変化がないとしても、青空が見える火星も、見てみたいですね。